M&A全般

オーナー経営者の最大で最後の難事業「事業承継」

大半のオーナー経営者は、長い期間不眠不休で人生を賭けて経営に携わっています。バブル期や右肩上がりの時代、資金繰りに苦しんだ時代や社員が離反したどん底の時期など、さまざまな喜怒哀楽、艱難辛苦を乗り越えて、会社のために一生を捧げ、企業経営を続けているのがオーナー経営者です。

 

年月をかけて築いてきた取引先や大切な従業員をオーナー経営者の最大で最後の難事業が、「事業承継」です。会社をいつ、誰に、どのような形で引き継ぐかは、どの経営者にとっても頭の痛い問題です。会社をどのような形で次世代に引き継ぐのか。それは、経営者にとって至上命題なのです。

 

せっかく苦労して育ててきた会社だから、なかなか手放せず、健康なうちは自分の手で経営を続けたいと思う経営者や、責任は十分果たしたことだし、引退して第2の人生を楽しみたい、家族と過ごす時間を得たいと考える経営者など、それぞれ様々な想いを持っています。しかし、全国の中小・中堅企業のオーナー経営者は、事業承継をするうえで大きな問題を抱えています。それは、「後継者不在」の問題です。

 

2016年の帝国データバンクの調査によると、中小・中堅企業の国内企業の 3 分の2 にあたる66.1%、実に19万社を超える企業が、「後継者不在」であるという結果が出ています。これは中小・中堅企業の経営者だけの問題ではありません。中堅・中小企業によって支えられている地域経済、日本経済にとっても、これは深刻な問題です。

 

 

20年以上前までは、「息子に継がせる」のが一般的な事業承継法でした。しかし、「息子がすでにどこかの企業に勤めていて会社を継ぐことが難しくなっている」、「そもそも継がせられる子供がいない」というケースが増えてきています。

 

日本が右肩上がりの高度成長期の時代は、経営者にとっては追い風でしたが、今後日本全体の人口減少は免れず、大きな成長が望めない時代を迎えます。このような厳しい時代に、息子が経営者として大きな責任を背負い、会社を上手く存続させていけるのかといった不安も大きくなっています。

 

そこで、息子に事業を承継するのではなく、その代わりに大手企業へ会社を売却するM&Aが急増しているのです。我々はそのお手伝いをさせていただいています。M&Aとは、「Mergers&Acquisitions」の略で、企業のMergers(合併)とAcquisitions(買収)を意味します。2つ以上の企業が合併して1つになる、もしくはある会社が他社を買収する形で企業(事業)を存続させていく、企業戦略の手法のひとつです。

 

M&Aを選ぶメリット

・会社が存続する。

・社員たちの雇用が守られる。

・社名が存続する。

 

事業承継の問題にM&Aを解決策として選ぶメリットは、会社が存続すること。むしろ今後の成長が見込まれること。社員たちの雇用が守られること。社名がそのまま存続することです。成長・発展している優秀な第三者に、自分がこれまで行ってきたすべてを譲渡できるので、非常に理にかなった継承法といえます。

 

この事業承継M&Aを成功させるために重要なことは、なによりタイミングです。「後継者不在」や「業績のジリ貧」といった問題を抱えた経営者が切羽詰まった状態で会社を売却しようとしても、譲渡価格は本人が思うよりも低く見積もられることになります。

 

また、高齢になって慌てて事業を譲渡する際のM&Aは、戦略に乏しく、大抵の場合、残念ながら売り時のタイミングをすでに過ぎてしまっていることが多く見られます。数年前までは業績は好調だったのに、いざ引退しようと思った時には会社の成長性は失われ、M&Aの対象にもならないという事例はよくある失敗例です。

 

今、オーナー経営者たちの事業承継のファーストチョイスは、もはや身内ではありません。第三者への譲渡、つまりM&Aが主流になっています。当然、事業承継の年齢ギリギリの「土壇場でのM&A」から、より発展的で極めて戦略的なM&Aによる株式譲渡が積極的に行われています。

 

経営者の本分は、会社を持続的に成長させていくことにあります。身内に事業承継することで、それが継がせる不幸となってしまい会社が落ちぶれていく姿を見ることになるなら、優秀な第三者、つまり業界の強者・勝者に譲渡するのが最善の選択で、M&Aが一つの戦略的な選択であるいうことが今日、多くの経営者に理解されています。

業界再編部 物流業界支援室

宮川 智安

群馬県出身。実家は七代続く水産業の卸売。早稲田大学卒業。大学時代は競走部に所属(400mで全国IH準決勝)、2020年新卒で日本M&Aセンターに入社し、全国の物流業界を専門にM&A業務に取り組む。

群馬県出身。実家は七代続く水産業の卸売。早稲田大学卒業。大学時代は競走部に所属(400mで全国IH準決勝)、2020年新卒で日本M&Aセンターに入社し、全国の物流業界を専門にM&A業務に取り組む。

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