M&A全般

中小企業に“業界再編”は関係ない!?

セミナーなどで、業界再編の波に乗った積極的でポジティブなM&Aが急増している現実をお話ししても、「うちの会社は業界再編には関係ない」と思っている経営者がまだまだ多くいらっしゃいます。

 

しかし、業界再編型のM&Aは中小・中堅企業の経営者にとって避けて通れないものです。
なぜなら、次のような2つの理由があるからです。

 

 

再編の流れが止まったり逆戻りしたりすることはない

 

1つめの理由は、歴史から見ても、あらゆる業界で再編は起こり、中小・中堅企業も否応なくその波に巻き込まれていくからです。この流れは一度動き始めたら止まったり、逆戻りすることはありません。

 

現在、アベノミクス効果や、2020年の東京オリンピックを控えて景気は上向きといわれますが、果たして、どれくらいの中小・中堅企業が好景気を享受しているでしょうか。

 

また、日本全体としてはすでに成長期を終え、成熟期に突入していることは、皆さんもご存知でしょう。

成長期では多くの起業家が会社を興して、高度成長期の日本経済を支えてきました。
特に団塊世代は人口が多く、会社経営をしている人の数も多くいます。現在、団塊世代は70歳を目前にし、世代交代の最終段階にきています。今、この世代の経営者が大量に引退することにより、業界勢力図が激変しようとしています。

 

業績が右肩上がりの成長期は「変えないこと」が求められた時代でもありました。しかし、これからの少子超高齢化社会では人口は減少していきます。
内閣府の発表によると、我が国の総人口は、今後、長期の人口減少過程に入り、東京オリンピックが終わった6年後の2026年には、人口1億2000万人を下回ります。そして、2060年には日本の人口は8674万人になると推計されています。

 

このような状況から、日本は業界構造を変えるか、新ビジネスを開拓していく必要性に迫られているのは明白です。

これまでと同じやり方では大企業ですら「じり貧」となるのは目に見えており、若くて優秀な中小・中堅企業のオーナー経営者たちは、今、新しい方向性へと進み、見事に成功を手中に収め始めています。

 

このような賢いオーナー経営者たちの事業承継のファーストチョイスは、もはや身内ではありません。第三者への譲渡、つまりM&Aが主流になります。
当然、事業承継の年齢ギリギリの「土壇場でのM&A」などではなく、発展的で極めて戦略的なM&Aによる株式譲渡が積極的に行われています。

 

経営者の本分は、会社を持続的に成長させていくことにあります。身内に事業承継することで、それが継がせる不幸となってしまい会社が落ちぶれていく姿を見ることになるなら、優秀な第三者、つまり業界の強者・勝者に譲渡するのが最善の選択だということを経営者はDNAレベルでわかっているのです。

 

 

再編真っ只中の業界は、「売り手市場」

 

2つめの理由は、業界再編時代のM&Aでは、オーナー経営者には多くのメリットがあることです。

業界再編時代のM&Aには、中小・中堅企業のオーナー経営者が抱えるさまざまな悩みを解決し、多くの利益をもたらすメリットがあります。再編が真っただ中の業界ではまさに「売り手市場」ですから、経営者に次のような好都合な条件がそろいます。

 

 ①会社の株式を高値で売却できる
 ②条件の良い優良企業と組める
 ③自分が主導権を持って交渉を進めることができる
 ④事業承継問題を解決できる
 ⑤創業者利益を確保できる
 ⑥金融機関への個人保証や担保から解放される
 ⑦事業継続により社名が残せる
 ⑧社員の雇用が維持される

 

このように、多くの難問がクリアできるメリットがあり、売り手企業の社長は創業者利益を手にすることもできるので、引退して第2の人生を謳歌することも、新ビジネスを立ち上げることも、いずれの選択肢も可能となります。

 

M&A先の大手グループの一員として傘下に入り、子会社の社長として経営を続けることもできますし、経営幹部として親会社に迎え入れられ、業界を改革しリードしていく側の人間になる道もあるのです。

業界再編部 物流業界支援室

宮川 智安

群馬県出身。実家は七代続く水産業の卸売。早稲田大学卒業。大学時代は競走部に所属(400mで全国IH準決勝)、2020年新卒で日本M&Aセンターに入社し、全国の物流業界を専門にM&A業務に取り組む。

群馬県出身。実家は七代続く水産業の卸売。早稲田大学卒業。大学時代は競走部に所属(400mで全国IH準決勝)、2020年新卒で日本M&Aセンターに入社し、全国の物流業界を専門にM&A業務に取り組む。

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