調剤薬局

【調剤薬局業界向け】ミアヘルサ上場に思うこと

2020年3月17日、調剤薬局・保育園事業・介護事業を展開するミアヘルサがJASDAQスタンダード市場に上場を果たしました。

ミアヘルサは、調剤薬局事業・介護事業・保育事業の3つの事業の連携により、国が示す「地域包括ケアシステム」の実現を目指している会社です。

 

※地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムを言います。

6万店舗ある調剤薬局

現在、調剤薬局は国内6万店舗と明らかな飽和状態です。

国の方針でも、「店舗数を減らす」ということが明言されています。そういった状況である調剤薬局業界において、なぜ新たな企業が上場をしたのか?とお考えの方も多いのではないでしょうか。

たしかに、現在、調剤薬局事業を行う上場企業はドラッグストア等も含めると22社上場しており、いずれもミアヘルサよりも大きな規模の会社です。

しかし、ミアヘルサの売上構成を見てみると、調剤薬局事業57%、介護事業20%、保育事業18%となっており、また、ミアヘルサの青木社長は、上場翌日に出演した東京マーケットワイド(TOKYO MX)でのインタビューにて「次の成長ドライバーは保育事業、その後は介護」と明言しています。

 

ミアヘルサは、“調剤薬局を運営する企業“として上場したのではないのです。生まれた町で自分らしい生活を人生の最後まで過ごしたい、と考える人にとってこういった企業への期待は大きいように感じます。

 

調剤薬局を運営する主な上場企業と薬局事業売上比率(各社IR資料より当社作成)

 

少子高齢化の解決、地方創生への期待

安心して子供を産むことができる環境・安心して親の老後を任せられる環境・安心して自分の老後を過ごすことができる環境、この3つを構築することができる企業が最近注目されているように感じます。

例えば、TOKYOプロマーケット市場(TPM)から2019年12月23日にマザーズ上場を果たしたglobal bridge HOLDINGSは、秋田で安心して暮らすことができる住みやすい街づくりを目指すきららホールディングスなどが保育・介護事業を中心として事業展開を行っています。

 

3つの環境を構築する筆頭がミアヘルサであり、少子高齢化、東京一極集中という社会問題の解決への期待が上場という形になったのではないでしょうか。

これから、ミアヘルサが首都圏だけでなく、地方都市も含めて全国展開をしていくことに市場は期待しているのではないかと考えています。

“普通の調剤薬局”ではもう成長できない

ミアヘルサだけではなく、従来の薬局事業からの脱却を考えている調剤薬局事業会社は増えています。

大手調剤薬局チェーンは周辺事業への進出を展開しています。隣の処方元から出てくる処方箋をさばくだけの薬局で利益を生める時代は終わったと考えているからです。薬価差益(薬の仕入値と売価の差による利益)も取れなくなっている昨今、利益は確実に減っています。

現状を維持することはできない

現状を維持することを目指していては、衰退していくのは目に見えています。

国は医療費を下げるにはどうすればいいかだけを考えていますし、先述した通り全国の薬局店舗数を6万店舗から半分程度に減らすという方針を出しています。20年前と同じことをしていては生き残っていくのは難しいでしょう。

10年後生き残る薬局とは?

それでは、会社として、薬局として生き残っていくにはどうしたらよいのでしょうか。よく言われていることではありますが、ITを活用した効率化と薬剤師の対人業務へのシフトが不可欠であるように思います。

現在、多くの薬局ではIT化が進んでおらず、大手調剤薬局や成長企業が運営している薬局では機械がやっていることを、薬剤師がやっています。

10年後、同じような形で運営している薬局は淘汰されている可能性が高いと思います。

10年後必要とされる薬剤師とは?

10年前と同じことしかしていない薬剤師さんが果たして世の中から本当に必要な存在になれているでしょうか。

勤務薬剤師の方は、どうしたら時代に取り残されない薬剤師になることができるか、経営者の方はどうしたら従業員が10年後も世の中から必要とされる人材になれるのかを考えていく必要があるかと思います。

上場企業の社長が思う10年後の調剤薬局業界とは?

今後、本コラムでは“上場企業社長に聞く調剤薬局業界”ということでいくつかインタビュー記事を配信していきたいと思います。

投資家向けの話ではなく、同業界の方向けに話を聞いてみたいと思いますので、ぜひともご覧頂ければと思います。

 

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業界再編部 調剤薬局業界支援室

原 佑輔

東京理科大学卒業後、コンサルティング会社にてPEファンドや大手企業を中心とした顧客の収益改善に貢献した後、日本M&Aセンターに入社。入社以来、調剤薬局業界を専門に、M&Aを活用した事業の発展・存続のための支援を行う。北海道・青森県・長野県・奈良県・大阪府・和歌山県・兵庫県・鳥取県・島根県の調剤薬局を担当している。現在は物流業界の担当も兼任している。

東京理科大学卒業後、コンサルティング会社にてPEファンドや大手企業を中心とした顧客の収益改善に貢献した後、日本M&Aセンターに入社。入社以来、調剤薬局業界を専門に、M&Aを活用した事業の発展・存続のための支援を行う。北海道・青森県・長野県・奈良県・大阪府・和歌山県・兵庫県・鳥取県・島根県の調剤薬局を担当している。現在は物流業界の担当も兼任している。