調剤薬局

患者が倍増した“まさか“の危機に強い調剤薬局

 

熊本豪雨により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げると共に、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

非常時の地域医療の重要性

60名以上が犠牲となり、大きな被害をもたらした7月初旬の熊本県を中心とした記録的な豪雨から2か月が経ちました。未だ全国的に新型コロナウイルスが猛威を振るっている中で、まさに泣きっ面に蜂ともいえる今回の災害に対し、現場の対応や支援においてさまざまな足かせがあったと報道がなされていました。

 

日本では、昨今様々な災害が起こってきたことが記憶に新しいかと思います。

例えば、2017年7月には九州北部の大雨、2018年6月~7月の広島、岡山、四国を中心に大きな被害をもたらした西日本豪雨、昨年9月西日本を襲った大型の台風、さまざまな“まさか”の災害が起こっていました。

このような災害が起こるたびに、病院や調剤薬局などが地域の皆様の健康を支えるために、重要な役割を果たしていました。

 

今回は、災害時に大変重要な役割を果たす調剤薬局を経営しており、豪雨被害を受けたにもかかわらず、大手企業の手を借り、みごと早期に営業を再開させ地域住民の健康維持に貢献できた熊本の高階誠心堂様の事例をご紹介いたします。

被害の中心であった人吉市の調剤薬局

豪雨被害の中心地になっていた熊本県人吉市に、「株式会社高階誠心堂」という6店舗の調剤薬局を経営している会社があります。

 

同社代表である高階社長には後継者候補として当時薬学部に通っておられたご子息がおられましたが、今後の業界の先行きを考えられ、2014年、弊社が支援をさせて頂き、I&Hグループ(当時は阪神調剤ホールディング)へ株式を譲渡する形での資本提携をしました。

 

当時3店舗であった高階誠心堂はそれまで新規出店がなかなかできていませんでしたが、大手と手を組むことで、現在は6店舗まで拡大されています。

 

株式会社高階誠心堂様の資本提携の経緯は過去の記事をご参照ください

大手と連携をしていたからこそなしえた早期復旧

【被害当時の様子】

 

今回の豪雨により近くの球磨川が氾濫し、高階誠心堂本店も大きな被害を受けました。

調剤室を含めて店内は水没をし、分包機をはじめ、ほとんどの機材は使用できない状態になり、とても薬局として営業できる状況ではありませんでした。

 

また、勤務されている従業員の方々も被災者であり、自宅が浸水し家中が泥で埋まってしまった方やご自宅が流されてしまった方、友人が行方不明になってしまった方もいらっしゃりました。
生活していた家や家具をすべて失い、自分自身や家族の命を守ることで精一杯にならざる負えない状況では、医療に携わる調剤薬局も、仕事にすぐ復帰をすることがどれだけ困難であるかは容易に想像できます。

 
このような災害が起こってしまった場合、薬局も例外ではなく、被災してしまえば長期休業や場合によっては閉局せざるを得ないという選択もやむなしだと思います。高階社長も資本提携以前であれば、そのような選択を免れなかったのではないでしょうか。

ヒト・モノの重要性

【復旧後の様子】

 

しかし、豪雨の当日、高階誠心堂の高階社長のもとにI&Hグループ本部より連絡が入りました。

「薬局の早期復旧に向けてのバックアップをするので状況を教えてほしい」

このスピード感には高階社長も正直驚いたそうです。

 

水没してしまった機材や備品等も、通常であれば注文や発送どころではなく、なかなか手に入る状況ではなかったと想像できますが、即座にI&Hグループ本部からシステム関係の機材や分包機など営業に必要なものが届き、ものすごい速さで営業を再開できました。

 

また、こういった非常時には、モノだけではなく、ヒトも通常時よりも必要になります。水没してしまった店内の片づけや掃除など、営業を再開するために通常時以上に人手が必要になります。被害に遭われた後すぐにI&Hグループ本部から薬剤師を派遣してもらうことができ、サポートに加わったそうです。

 

高階社長は今回のことで、「このようにヒト・モノを中心とした、スピード感のあるサポートをいただけたのは、大手企業と提携していなければ絶対に叶っていなかった。近隣の薬局よりも早く営業を再開したので、当時は通常時の倍近い患者様が来局された」とおっしゃっていました。

 

災害時に、なるべく早くお薬を必要としている患者様に供給できる体制を作ることは調剤薬局の重要な役割です。
ただ、こういった非常時は、経営者の方々も従業員の方々も被災者です。単独でこういった災害への備えをするには限界があります。

大手グループに属しながら”地域密着経営”

高階誠心堂は大手調剤グループに属している強みを活かし、大手調剤グループの持つリソースを活用することで、単独経営ではできないスピードで患者様が求めているサービスを被災後いち早く提供することができました。お薬を必要とする地域住民の方々は本当に安心したと思います。

 

昨今、災害が多くなっており、また新型コロナウイルスのように“まさか”のことがいつ起こるかわからない世の中です。株式会社高階誠心堂様の事例は、まさに危機に強い薬局になることの重要性を感じさせられた事例だったかと思います。

 

日本M&Aセンターには、今回ご紹介させていただいた高階誠心堂様のように資本提携を活用した様々な成功事例がございます。
ご興味をお持ちの方は、いつでもご紹介をさせていただきますので、お問い合わせください。

業界再編部 調剤薬局業界支援室

沖田 大紀

青山学院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社を経て、日本M&Aセンターに入社。入社以来、栃木県・埼玉県・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・香川県・徳島県・愛媛県・高知県の調剤薬局担当として、M&A支援に取り組んでいる。

青山学院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社を経て、日本M&Aセンターに入社。入社以来、栃木県・埼玉県・大阪府・兵庫県・岡山県・広島県・香川県・徳島県・愛媛県・高知県の調剤薬局担当として、M&A支援に取り組んでいる。