M&A全般

『Q思考―シンプルな問いで本質をつかむ方法』M&Aコンサルタントが経営者に推薦する1冊

『Q思考―シンプルな問いで本質をつかむ方法』の要約・あらすじ・特徴

「美しい質問」だけが美しい思考を生む

本書は、人がイノベーションを起こし、問題を解決し、仕事や生活を進めるうえで、「疑問を抱くこと」あるいは「質問をすること」が果たす役割の重要性について正面から取り上げた本です。

 

作者は、世の中のルールを変えるほどの偉業を成し遂げた人たちの共通点として、疑問を抱き、質問をすることが抜群にうまいということが挙げられると気づいたことから、本書の着想を得ていいます。

 

そして、そのような世の中にインパクトを与えるアイデアをもたらす質問とはどんな質問で、そのような質問をし続けるためにはどのようにすればよいかについての考察をしていきます。

 

まず、質問の内容として、作者は、「死後の世界は存在するか?」といった答えが出ない質問については本書で取り上げようとしていません。

 

「回答しがいがあるほどに難しく(そして面白く)、実際に答えられる程度には優しい質問」を「美しい質問」と定義し、「美しい質問」をし続けることによって、世の中にインパクトを与えられるアイデアにたどり着くことができると述べています。

 

たとえば、1976年にアメリカで事故により左足を失った青年は、義足を装着させられた際、そのお粗末さに対する拒否反応から「人を月に送れるなら、まともな足ぐらいつくれるのでは?」という疑問に辿り着きました。

 

そして、この疑問の答えを求めて行動に移すことで、装具業界が何十年も進歩せずに停滞をしていることに気づき、やがて自身にとって最高の義足を求めて研究を開始します。

 

当初の疑問を追求した結果、装具の耐久力を飛躍的に向上させることに成功し、装具の貧弱さに困る世の中の人々の人生を変えるほどのインパクトをもたらすに至りました。

 

このように、突き詰めるべく行動した結果、世の中にインパクトを与えるアイデアにたどりつけるような質問を、作者は「美しい質問」と呼んでいます。

 

「美しい質問」を自分のものにする

また、作者は、「美しい質問」をするための方法論として、「なぜ?」、「もし~だったら?」、「どうすれば?」という3つのステップを踏むことが重要だと述べています。

 

たとえば、エドウィン・ランドという発明家は、3歳の娘が発した「写真ができるまでに、なぜそんなに待たなければいけないの?」という質問に対して、まともに答えられないことに気づきました。

 

そして、この「なぜ?」をもとに、「カメラの中に何らかの形で暗室を置けたらどうなるだろう?」という2つ目のステップの質問を自ら設定しました。

 

カメラの中に暗室を置く方法、すなわち「どうすればカメラの中に暗室を置けるだろう?」という質問を投げかけ、試行錯誤を繰り返します。その結果、ポラロイドカメラの発明にいたりました。

 

『Q思考―シンプルな問いで本質をつかむ方法』を推薦する3つの理由

 

本質的だから

この本が伝える「美しい質問」の内容とそれをし続けることは、人間が世界と向き合ううえで欠かすことのできない重要なものです。

 

また、専門的な知識や偏見にとらわれない素朴な疑問の方が「美しい質問」としてのレベルが高いという点も特徴的です。このように、「美しい質問」をすることは、世界の本質と向き合う行為であるという点が、社会とかかわるビジネスパーソンにとっても有益であると考えます。

 

実践的だから

また、この本が伝える「美しい質問」は、実際に行動に移すことが可能で社会にインパクトを与えるアイデアにたどり着くための質問を意味します。社会に変化をもたらすことを目的とするビジネスと「美しい質問」の相性はとても良いといえます。

 

結局、楽しいから

最後に、「美しい質問」は、向き合う過程で人々にわくわく感や高揚感を与えてくれます。この本に出てくるさまざまな「美しい質問」とその質問に対する追求のエピソードは、どれもかつての偉人たちが体感したわくわく感を追体験させてくれます。

 

本書を読み終わったあとに世界を見渡すと、どこかに「美しい質問」のヒントが落ちている気がしてわくわくする自分に出会うことができます。

 

以上、いかがでしたでしょうか。

一人でも多くの方が、本書に興味を持ち、お手にとって頂けることを願っております。

 

業界再編部 建設・不動産業界支援室

一色 翔太

早稲田大学法学部、同法科大学院卒業。
2014年、司法試験合格。カンボジアの日系企業及び日系法律事務所での半年間のインターンを経て、司法修習(69期)を修了。日本M&Aセンターに入社。住宅・不動産・設備工事業界及び物流業界担当のM&Aコンサルタントとして、全国の中堅・中小企業のM&A支援に取り組んでいる。

早稲田大学法学部、同法科大学院卒業。
2014年、司法試験合格。カンボジアの日系企業及び日系法律事務所での半年間のインターンを経て、司法修習(69期)を修了。日本M&Aセンターに入社。住宅・不動産・設備工事業界及び物流業界担当のM&Aコンサルタントとして、全国の中堅・中小企業のM&A支援に取り組んでいる。