M&A全般

【M&Aコラム】敵対的M&Aの発生確率とは?

先日、M&Aにおける「敵対的か友好的かの境界線」ってなんなんですか?というご質問を頂くことがありました。買う側の社長さんの態度がいい(腰が低い・偉そうか)ということでしょうか?当然、そのような表面的な話ではありません。

 

答えはシンプル「お互いがOKしてるかどうか」です。

 

敵対的M&A=「別の会社の株式を無理やり買う」(政略結婚=当事者同士で決められない)
友好的M&A=「お互いの合意の上で株式を売買する」(恋愛結婚=当事者同士で決められる)

 

つまり、敵対的買収=売却側の株式が「自由購入できるもの(上場している)」ことが前提条件となります。その上で、「売却側が上場企業である」可能性がどのぐらいあるのでしょうか?

 

私が普段「99.9%が友好的M&Aですよ」とお話しすると、「そもそもなんの統計ですか?」という顔をされることがあります。これは統計の話ではなく、「上場していない会社は敵対的買収が構造的に不可能」ということと、日本企業約420万社のうち上場企業は約1000分の1である3712社(2020年6月2日現在)であるということを踏まえた事実を、シンプルに割合にしただけです。

 
また「上場企業の売却=敵対的買収」ではありませんので、実際の敵対的買収の発生確率は0.01%よりもっと低いでしょう。

 

当然ながら、上場・非上場に関わらず当然ながら企業は「モノ」ではなく「ヒト」の集まりです。経営統合したあとの健全な運営を目指すためには旧経営陣・ベテラン社員・新人メンバー等、すべての構成員の協力が不可欠です。

 

構造的には無理やり買収することが可能であっても、「魂の抜けた組織」に価値を見出すことなど当然できないので、その場合「NO-DEAL(取引せず)」が最善です。

 

「M&A」を語るにあたっては、しばしば「敵対的買収」「ハゲタカ」というキーワードをメディア等で目にすることも未だにありますが、少なくとも日本という国におけるスタンダードなM&Aの絵姿ではありません。

 

逆に「めったに起こりえない珍しい出来事」だからこそニュースになり得るというのが実際のところかもしれません。

業界再編部 IT業界支援室/製造業界支援室

太田 隼平

京都大学経済学部を卒業後、株式会社キーエンスでセールスエンジニアの経験を経て、日本M&Aセンターに入社。ITソフトウェア業界を専門とし、地域問わず中小中堅企業の事業承継及び成長戦略に関するコンサルティング業務に注力している。

京都大学経済学部を卒業後、株式会社キーエンスでセールスエンジニアの経験を経て、日本M&Aセンターに入社。ITソフトウェア業界を専門とし、地域問わず中小中堅企業の事業承継及び成長戦略に関するコンサルティング業務に注力している。