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M&Aレポート

譲渡オーナーとの語らい Vol.6
欧風菓子グリンデルベルグ(トアヴァルト有限会社様)

2021.4.26

  • 食品

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祖父の代から洋菓子一家として育った門林氏、物心つく頃には門林氏の生活のなかには「洋菓子」があった。そんな両親の影響を受け門林氏自身も独立、「自由なお菓子作りには綺麗な空気と水、広い空」が必要だと考えた同氏は、鬼怒川の源流である栃木県河内郡河内町に洋菓子店を創業。自身が創業した洋菓子ブランドをより多くの人に知ってほしいという想いから、2021年3月に天皇陛下も愛した「御用邸チーズケーキ」で有名な株式会社庫やとのM&Aを実施した。

ここがタイミングだと決めた(M&Aのきっかけ)

(図斉) 本日はお忙しいところありがとうございます。成約後からまだ1ヶ月と短い期間ではありますが、少し落ち着いてみて何か気持ちの変化などございましたか?

(門林氏) まだ全然何も変わりはなくて、これからなのかな、と思います。M&A後も自分がやっている仕事は特に変わらないですし、まだ全然実感は湧いてきていないです。

(図斉) M&Aについてですが、お考えになったきっかけは何でしたでしょうか?
どこかのタイミングではM&Aをしようともともと考えていましたか?

(門林氏) 考え始めたのは本当に最近のことでした。銀行さんから連絡があって、なんとなく考えるようになっていたところに、タイミングよく図斉さんから連絡を頂いて進めることにしました。

(図斉) 会社の決算自体は順調だったんですよね?

(門林氏) はい、そうです。過去、利益率が落ちていた時期があったのですが、そこから立て直して利益が出るようになっていました。なので税理士さんには「続けた方が良いと思いますよ」とも言われました。
新型コロナの影響により周囲は厳しい状況になっていた店舗さんも多かったようですが、
うちは売上が伸びていたので、今が評価されやすいタイミングなのかなと思いました。

(図斉) 昔はM&A=会社の業績が悪い時に実施するものというイメージが先行していたのですが、今は会社が順調なときにM&Aという経営オプションを選択される会社さんが近年は増えているなと感じます。

(門林氏) そうですよね、良い時は、まだ頑張りたい、と思いますよね。元々、私がカナダで修行していたこともあり、欧米的な考えを持っていたことも大きいかもしれません。カナダでは、一般的に家業を継ぐという考えは少なく、能力のある子どもは独立することがほとんどでした。また、作り上げた会社を一定の年齢で売却して、老後の資金にするというのも、間近で見てきておりました。

(図斉)そうだったんですね。最初にお会いしたときから、M&Aに対して、非常にポジティブな印象を持っているなと思っていたのですが、そういった背景もあったのですね。

(門林氏)はい。私の場合ですと、妻と、夫婦でまたちょっと違うことをしたいね、と話しをしているタイミングでもあり、私自身67歳で、2、3年くらい引継ぎ等で仕事を続けて、引退かな、と。80歳になると中々思うように動けなくなってしまいそうですし、今後10年は好きなようにしたくて(笑)今決断しないと、間に合わないので。色々なタイミングがうまく重なったという感じです。

(図斉) 銀行さんからもお話を頂いていたということですが、当社で進めてくださったのは何故でしょうか?

(門林氏) 結果としては県内の会社さんに譲受けて頂きましたが、元々は、全国で探してくれるところが良い、と考えていました。県内だけでは狭いので銀行さんでは少し難しいのではないかと思いましたし、うちの会社を譲受けようと思ってくれる会社さんがどれほどいるのか、全く見当もつかなかったので、全国規模で見てくださるところにお任せしたいなと思っていました。また、お願いする前にもかかわらず、うちの概要をまとめた資料を作成いただいたり、候補先になるうる企業をリスト化していただいたのも、安心感がありました。その中で、一番の決め手になったのは、色々こういう書類提出してください、という必要書類の一覧表があったと思いますが、それを「手伝ってくれる?」と図斉さんに聞いた時に、即答で「もちろんです。」と答えてくれたからです(笑)

(図斉) そうだったんですね。これからも私にできることであれば、なんでもお手伝いします!

(門林氏) それに加えて、電話でお話をした感じが、とても落ち着いていて、安心感がありました。
実際お会いしたら想像していたよりもお若い印象を受けましたが、丁寧にしっかりと進めてくださって、M&Aセンターさんにお願いして良かったと思いましたよ。妻が紹介したい女性がいると言ってましたし、今後ともよろしくお願いしますね。(笑)

新しい発見があることが楽しい(M&Aをしてみて)

(図斉) お相手探しについては、最初は県内だけではなくて、全国で探して欲しいと仰っておりましたが、その他に譲受企業さんに対する条件、こういう企業に譲受けてもらいたいといったご希望はどのような点でしたでしょうか?

(門林氏) お店を存続してくれること、ですね。うちの会社を譲受けてくれる会社が、本当に出てくるのかなあ?という不安の方が大きかったので、条件はなかったですね。すべての商品をひとつの工場でまとめて作って様々な店舗に展開していくものではないので、生産効率はあまりよくはないですが、綺麗な状態で販売が出来ますので、お客さんも喜んでくださいます。また、店舗ごとに責任者も必要になるので、何店舗もつくるのは難しいこともあり、多店舗展開を考える会社さんではなく、今の店舗をしっかりと存続させていってくれる会社さんに譲受けてもらいたい、と考えていました。

(図斉) 庫やさんという、同じ県内の会社さんが譲受けられましたが、どうですか?まだ一ヶ月で、そんなに変わりはないということではありましたが‥。

(門林氏) そうですね、今は早く庫やさんに多数ある商品の理解や生菓子の扱いについてノウハウを共有することが最優先です。庫やさんへのノウハウの共有が進むにつれて、徐々に私の時間が空いてくると思うので、その時には庫やさんの工場を見せて頂いたりしたいですね。あとは、来年にかけての採用を庫やさんと一緒にやっていこうと計画していまして、とても楽しみです。

(図斉) たしか、商品開発に関わっていくことも楽しみにされていたかと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?

(門林氏) 本格的にはこれからですが、自分に出来ることをやっていくつもりです。実は、先日ちょっと商品開発についてお話ししてきました。価格帯が違うところの商品開発をしていくのはとても面白いです。かけることのできる金額が大きくなると開発がしやすいこともあり、色々なチャレンジができて、幅が広がっていきます。これもとても楽しみにしています。

実は自分も、という人も

(図斉) 従業員の皆さまへの開示は、私も、当日立ち会わせて頂いたのですが、翌日以降に、皆様から改めて質問ですとか、何か反応はございましたか?

(門林氏) 特にありませんでした(笑)当日と同じような感じでしたよ。ポカーンとしてました(笑)従業員には、せっかくだから庫やさんのレストランに行っておいでと言っています。

(図斉) お客様ですとか、周囲の反応はいかがですか?

(門林氏) お客様にとっては、このお店のイメージがありますので、それは変えてほしくないというようなお話をされました。地域密着でやってきたからこその反応なのかな、と思います。
個人的に付き合いのある同業のオーナーさんへは、今回の譲渡についてお手紙を書いて連絡をしたのですが、心配をされてしまいました(笑)。要は、新型コロナの影響で経営が傾いたのか、とか思われたようです。何があったんだ?と電話をくださった方もいました。
ただ、中には、実は自分も、という方もいて、じゃあお互い暇になるから、落ち着いたら一緒に旅行しましょうと盛り上がっています。

90歳まで人生を楽しみ切りたい

(図斉) 先ほど今後10年は好きなようにしたい、とおっしゃっていましたが、何を一番したいですか?

(門林氏) 旅行したいです。新型コロナの心配もありますが。そろそろ夫婦で違うことをやりたいね、と話もしていて、例えば、中禅寺湖で夏場だけカフェをやるとか、利益を出すよりも自分たちが楽しめることをしたいなと思っています。あと、妻と出会ったカナダに行って、友人にも会いたいですし、今まで仕事の合間での旅行でしたので、やはりどこか仕事を考えながらの旅行でしたがそういうのが何もなく、自由に行けるのは楽しみです。



(図斉) 最後に、譲渡や経営に悩むオーナーさんへ何かお言葉を頂けますでしょうか?

(門林氏) そうですね。先ほども申し上げたのですが、人生90歳まで生きるとしても、80歳過ぎたくらいから少しずつ身体の自由とかきかなくなってくると想像します。そうすると70歳からの10年はすごく大事です。70代の10年間をしっかり楽しめる様に、遅くとも60代後半には決断をするべきだと思います。



図斉 亮介
埼玉県生まれ。中央大学商学部を卒業後、みずほ証券でのリテール営業、マイナビでの法人営業経験を経て、日本M&Aセンターに入社。
食品業界を中心に中堅・中小企業のM&Aの支援に従事している。

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