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M&Aレポート

【開催報告】Pharmacy Leaders Day2021 (Day2編)

2021.6.10

  • 調剤薬局
  • セミナー

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2021年4月22日、23日の2日間にわたりPharmacy Leaders Day2021と題した、調剤薬局経営者向けのセミナーをオンラインにて、 開催いたしました。

本イベントでは、3年後、5年後、10年後を見据えた薬局経営はどうあるべきか。
薬機法が改正されるごとに処方箋単価は下がり続けるのか、他業界からの参入は、オンライン診療、マイナンバー…
激動の薬局業界において、業界の雄は何を考え、どう動いているのかについて、業界のリーダー達から最先端情報の業界動向と勝ち残るためのDXについてお話いただき、2日間で100名を超える方々にご視聴の申込いただきました。

イベントの概要をDay1、Dayの2本に分けて公開させていただきます。

本レポートでは、Day2の様子をレポートいたします。

第1部 2020年最新M&Aデータで見る調剤薬局業界のトレンド

日本M&Aセンター 業界再編部の田島聡士が講演いたしました。

本講演では新型コロナウイルス、調剤報酬改定、改正薬機法によるオンライン服薬指導の解禁など、大きな環境変化があった2020年の調剤薬局M&Aのデータから近年の傾向や課題について解説いたしました。

市場の変化を意識し、買収を検討している企業が増えた一方で、競争戦略ではなく“協調戦略”として大手のグループに入る決断をされる会社も増加傾向となっており、今後より緻密な経営戦略が求められる時代に突入していきます。

そのような時代の流れの中で、それぞれの未来像について中長期的に考える必要が高まってきており、10年後20年後という中長期的な将来を見据えた経営戦略のひとつとして、M&Aがますます重要な役割を担う時代になっているとお話しいたしました。

第2部 薬局業界のPMIポイントと薬局経営の『見える化』

株式会社カケハシ Musubi Insightプロダクトマネージャー/薬剤師の林裕之氏に、M&A後に重要となるKPIモニタリングの方法についてご紹介いただきました。

M&A実施後、譲受企業は企業価値向上、すなわち「のれん」の償却額を超える営業利益の創出を目指し、そのためのプロセスとしてPMIが推進されています。

順守すべき特殊ルールが多く存在する調剤薬局業界においてはデューデリジェンス段階で把握しきれないリスクも存在する為、M&A成立後のリスクを吸収する必要があり、PMIの重要性がますます増大しています。

そこで、営業利益最大化に向けた5つのテーマに関して紹介頂きました。

⓵業務効率化(→販管費の低減)
②人員配置の適正化(→販管費の低減)
③リスクマネジメント(→売上減少防止)
④処方箋単価の最大化(→売上向上)
⑤処方箋枚数増加(→売上向上)

カケハシのサービスである「Musubi Insight」を活用することによってプロセスやコストを削減し、生産性向上から処方箋単価・枚数の最大化を通じて「選ばれ続ける薬局」を目指していくというお話がありました。

第3部 パネルディスカッション 事例から学ぶM&A 〜PMIの本音と建て前〜

株式会社トータルメディカルサービス代表取締役専務兼株式会社永冨調剤薬局専務取締役の永冨将寛氏をお招きし、株式会社カケハシ 代表取締役CEOの中川貴史氏、清田紘佑氏、日本M&Aセンタ―山田の4名によるパネルディスカッションを行いました。

永冨氏は、2003年にお父様が創業された株式会社永冨調剤薬局に入社。2016年常務取締役の後、2019年に株式会社メディカルシステムネットワークに株式譲渡されたタイミングで専務取締役に就任(現任)。2020年に 株式会社メディカルシステムネットワーク 薬局事業本部 地域薬局事業部 副部長就任後、2021年4月1日よりトータルメディカルサービス代表取締役専務に就任されています。

本講演では、以下の4点について対談頂きました。

1.法人を譲渡しようと思ったきっかけと決断に至った理由
2.交渉のポイントや社内への周知
3.譲渡後の取り組みと今後グループ全体でやるべきこと
4.今後の薬局業界のM&A動向

1.法人を譲渡しようと思ったきっかけと決断に至った理由

冒頭に、創業者であり父親でもある永冨茂氏がM&Aを前向きに検討したことから社内の組織を再度見直し、薬局のあるべき姿、社員のことを考えて、最終的にM&Aを行う決意をしたという実体験に基づく創業者であり父親でもある永冨茂氏がM&Aを前向きに検討したことから社内の組織を再度見直し、薬局のあるべき姿、社員のことを考えて、最終的にM&Aを行う決意をしたという実体験に基づく話をしていただきました。

2.交渉のポイントや社内への周知

永冨氏より、M&Aの交渉に向けて気になる点を50項目程度リストアップして当社に提出された体験談や、社内周知に関して当日のスケジュールなどを交えて具体的にお話いただきました。

これに対して山田から、経営者と従業員のコミュニケーションが日頃から上手くできていた点、従業員開示のシナリオを密に練ることができていた点が、社内周知成功の秘訣ではないかと説明がありました。

3.譲渡後の取り組みと今後グループ全体でやるべきこと

永冨氏から、譲渡直後はメールの件数が多く苦労された経験や、まだ完全には統合できておらず、手間がかかると想定されている項目について、お話いただきました。

対して中川氏から、PMIのプロセスにおいてどの程度2社が寄り添い介入していくのかが重要であり、早い段階からのシステム投資によってM&Aプロセスをスムーズに進めることで、適切に現場の状況を把握し、適切なヘルプが可能になると解説されまし
た。

4.今後の薬局業界のM&A動向

調剤薬局業界は日本で最もM&A件数が多い業種であり、今後上位10社のシェアが高まっていくことで、良い投資、DX戦略も加速していき、業界として新たなステージに進んでいくと山田から考えを述べた上で、永冨氏より、業態を複数持つ必要性のお話をいただきました。
加えて中川氏から、薬局業界全体が大きな転換期にあるため、いかに時代を先取りした経営が出来るか、調剤専門薬局からOTCなどを含めて地域に根ざした業態へ変化させられるかが重要になります。

最後に

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、厚生労働省が発表した2020年の合計特殊出生率は4年連続低下し、1.36となりました。今後も少子高齢化の波は止まらず、生産年齢人口は減少の一途を辿ることが予想されています。あらゆる業界において、その業界構造が大きくかわり、変革を求められる時代になるでしょう。

調剤業界においても、大きな変革が迫られています。
近年、厚生労働省の指針により、薬局は門前薬局など立地依存型から脱却し、かかりつけなどの機能型への変革を迫られています。
年々変化する業界動向を正確に把握した上で、DX戦略を始めとした新たな戦略を推し進め、経営方法を変化させていく必要性があり、過去の延長から抜け出すことができるかどうかに、会社の未来がかかっているとも考えられます。

日本M&Aセンターの調剤薬局支援室では、業界に特化した専門チームが今回のようなセミナーをオンライン開催も併用しながら全国で多数開催しています。
今後も様々な角度から情報発信し、皆さまの経営の一助となれれば幸いでございます。

本セミナーの詳細をご希望の方は、当ホームページ内のお問合せフォームよりご連絡いただければ、資料をお渡しさせていただきます。

コンサルタント紹介

業界再編部 調剤薬局業界支援室 シニアディールマネージャー 田島 聡士  

明治大学理工学部卒。広告会社にて展示会・プロモーションイベント等の企画・立案に従事した後、日本M&Aセンターに入社。2017年より調剤薬局業界の再編にかかるM&Aを専門とし、全国の調剤薬局を担当している。






業界再編部 調剤薬局業界支援室 本田 太一 
関西大学経済学部卒業。学生時代はアイススケート部に所属し、全日本選手権7度出場、全日本インカレ2度の団体優勝。2021年4月に日本M&Aセンターに新卒入社し、調剤薬局業界を専門としたM&A業務に取り組む。