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M&Aレポート

2020年コロナ禍の弁当・給食を振り返る

2021.6.30

  • 食品

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こんにちは。(株)日本М&Aセンター食品業界支援室の松岡です。
当コラムは日本М&Aセンターの食品業界支援室が業界の最新情報を執筆しております。
本日は、コロナ禍における弁当・給食業界について解説していきたいと思います。

創業150年の老舗も廃業する激動の時代に

2020年4月20日、東京歌舞伎座前で営業していた名門の老舗弁当店である「木挽町辨松」が、152年続いた歴史に幕を閉じました。辨松は、歌舞伎座の向かいにある弁当屋として、歌舞伎俳優や観劇客、近隣のビジネスマンなど多くの利用客に親しまれてきましたが、コロナ禍による多大な影響を受け、廃業の決断をされました。

実は、この辨松はオーナー様のご年齢や設備の老朽化などの理由から、コロナ以前よりM&Aでの事業承継を進めておられました。しかしコロナ禍の影響もあり、已むに已まれずM&Aがストップしてしまい、最終的な選択肢として廃業を選択されました。150年続いた老舗企業でも廃業するという事態に、弁当・給食業界の皆様も他人事ではない危機感を感じられたことと思います。

コロナ下でも食品業界のM&A件数は増加

出典:レコフM&Aデータベースより日本M&Aセンター作成

こうした危機感からか、コロナの真っただ中であった2020年においても食品業界のM&Aの件数は前年より増加しています(飲食業界を除く)。今手を打っておかなければ5年後10年後に生き残っていけないという危機感から、大手のグループ入りを検討する企業様や、経営の多角化を目指し、自社の持っていない事業領域に強みを持っている企業様の譲受けを検討する企業など、M&Aをコロナ禍に対応する有効な選択肢の一つと捉えられた企業様が多かったのではないかと思います。特にコロナを契機に、まだある程度余力のあるうちに「経営の一本足打法」から脱却し、経営の二本足化三本足化を進めるという企業が増えています。

将来を見据えて手を打っておくことの重要性

コロナ禍のM&A事例ではないですが、弁当・給食業界において経営のヒントとなるM&A事例を一つご紹介いたします。2008年に当社仲介でご成約された外食上場企業グループの「ワタミ」と、当時九州・山口エリアで高齢者向けの弁当宅配事業を展開されていた「タクショク」のM&Aです。

譲渡企業の「タクショク」オーナー様は、上場も見据えながら、売上を70億近くまで拡大されており、息子様も経営陣に参画されておりましたが、ご自身の年齢も70歳を迎えようとしていたこともあり、大手グループの一員として、息子やその先の代まで、事業が存続するならと譲渡をご検討されました。一方、譲受企業である「ワタミ」は、当時外食企業として一世を風靡しておりましたが、外食店舗のみの経営スタイルの不安定性から新規事業への参入を考えておられました。そこで当社仲介でマッチングが成立し、トントン拍子でお話が進み、無事M&Aのご成約に至りました。

現在のワタミグループのIR資料を見てみると、コロナ下においてもタクショク事業は安定した収益を出していますし、コロナ前においてもワタミグループの稼ぎ頭となっています。

出典:ワタミグループIR資料

もちろんM&A当時コロナ禍のことなど予測もされていなかったでしょうが、余力のあるタイミングで、経営の二本足化を行ったことでコロナ禍においても安定した収益源を確保することができています。おそらくタクショク事業がなければワタミグループは上場を維持できていないのではないでしょうか。

まとめ

コロナ禍の影響の先行きが見えない中、まだ余力のあるうちに打ち手を考えておくことは非常に有効なことだと思います。大手グループの一員となり、グループの様々なリソースを用いながら成長していくことも、他社を譲受け、自社と融和を図りながらともに成長していくことも、会社の存続と発展のためという目的は同じです。いずれの選択肢が自社にとって適切なものか、余裕のあるタイミングで考えてみてはいかがでしょうか。


いかがでしたでしょうか?

今後も食品業界支援室から最新の業界情報をお届けをさせて頂きます。
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執筆者プロフィール


株式会社日本М&Aセンター 業界再編部 食品支援室 松岡弘仁
Mail:matsuoka@nihon-ma.co.jp
TEL:070-4577-1404
熊本県生まれ。東京大学法学部卒業後、新卒社員として㈱日本М&Aセンターに入社。
入社以来、食品業界支援室にて、上場企業から中堅・中小企業まで幅広くM&Aの支援を行っている。