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M&Aレポート

【開催報告】コロナ後に備えて経営者が考えるべき”経営”と”お金”の話

2021.7.12

  • セミナー

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第一部では弊社代表取締役社長 三宅よりコロナ禍での経営者が迫られる選択とリスクに強い会社作りについて、第二部ではレオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長・最高投資責任者(CIO) 藤野様と株式会社出前館元代表取締役社長・弊社専務執行役員 中村よりレバレッジ戦略と経営者個人が考えるべきお金の話というテーマについてお話しいただきました。

申込数200名を超えた当セミナーの様子をレポートします。

第一部 “コロナ禍”を生き抜く経営戦略

■登壇者■
株式会社日本M&Aセンター 代表取締役社長  三宅卓 
1991年に、日本M&Aセンター設立に参画。設立以来、数百件のM&Aの仲介、成約に携わる。豊富な経験をもとに、現在も中堅・中小企業M&Aの第一人者として、多くの経営者への助言を行なっている。



弊社代表取締役社長三宅が、コロナを生き抜く経営戦略・アフターコロナにどう備えていくのかについて講演しました。この一年多くの企業がコロナに悩まされてきました。在宅ワークの設備も整っておらず、資金繰りの目途も立たたない中で、現在も黒字化が見込めないままいる企業が非常に多い状況です。

そんな中、事業承継に対して二つの変化が起きています。一つ目が、事業承継の前倒しです。コロナ以前は、後継者不在の企業であっても90%以上の企業が事業承継を先送りにしてきました。しかし、コロナ禍によってこの考え方に大きな変化が起きています。60代以上の経営者の中には、コロナで心が折れ、早く大手の傘下に入り経営を安定させてハッピーリタイアしたいと考える方が増えています。

二つ目は、決断を迫られている企業が非常に増えているということです。多くの企業が昨年5月~6月にかけて、緊急融資を受けて資金繰りをしました。しかし、コロナ禍においてなかなか黒字転換ができず、1年後の現在再び資金ショートの危機に瀕している企業が多いです。黒字転換が見えていない中で追加融資を受けて頑張るのか、M&Aで譲渡するのか、あるいは廃業かという三つの選択肢を迫られています。

 また、リスクに強い企業づくりの軸として一本足の経営から脱却するべきだという考えを示しています。コロナウイルス、米中関係、自然災害と多くの緊急事態に見舞われる可能性が高い日本だからこそ、リスクに強い会社作りをする必要があります。

 販路・仕入・商品構成・営業エリアを二本足化していくことで、一本足経営から脱却しリスクに強い会社になることができます。M&Aによって、他社と組むことによってこれらを実現することができるのです。
講演では、実際に三宅が携わった事例をあげて、これらをどう二本足化していったのかを解説しています。

第二部 コロナ後に経営者が考えるべきお金の話

■登壇者■
レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役会長兼社長・最高投資責任者(CIO)  藤野 英人様
1966年富山県生まれ。1990年早稲田大学法学部卒業、野村投資顧問入社。以後96年よりジャーディン・フレミング投信・投資顧問(現JPモルガン・フレミング・アセット・マネジメント)、2000年よりゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントにて、ファンドマネジャーを歴任。特に中小型株および成長株の運用経験が長い。2003年独立し、レオス・キャピタルワークス株式会社を創業。主に日本の成長企業に投資する株式投資信託を運用。一般社団法人投資信託協会理事。投資教育にも注力しており、JPXアカデミー・フェロー、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、叡啓大学客員教授も務める。近著に、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!』(日本経済新聞出版)、『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)。

株式会社日本M&Aセンター専務執行役員   中村 利江 
日本最大級の宅配ポータルサイト「出前館」を運営する株式会社出前館のエグゼクティブ・アドバイザー、出前館元社長。関西大学在学中、女子大生のモーニングコール事業を立ち上げ学生起業家となる。卒業後、株式会社リクルートへ入社し、1年目でトップセールスとなりMVP賞を受賞。出産退職後、マーケティング等に関わった後に、現在の株式会社出前館の代表となり約20年にわたり事業を拡大。上場に導いたうえ、時価総額2,000億円を超える会社へと成長させた。


第二部では、「変化の時こそ行うべきレバレッジ戦略」「経営者個人が考えるべき、お金の話」という二つのテーマで対談いただきました。

変化の時こそ行うべきレバレッジ戦略

藤野様はコロナ禍で伸びた企業の特徴を、例をあげて解説しています。コロナ禍によって明らかになったこととして、「準備」と「意思決定のスピード」の重要性をあげています。大事なことは、日頃から未来を見据えて準備すること、不測の事態に落ちいった時に速やかな意思決定をすること、長期的な変化への視点を持って考えること、の三つだといいます。

 また、中村は経験談をもとにレバレッジ戦略の重要性について解説しています。出前館で行ったM&Aの事例として、コールセンターの買収があります。M&A後、毎月のミーティングを行うなどして良好な関係を築き、大きな相乗効果を生んでいます。中村はこの事例を通して、M&Aする瞬間ではなく二社が一緒になってどう成長していくのかというM&Aの後に目を向ける重要性を訴えています。

経営者個人が考えるべきお金の話

藤野様は、個人のお金を考えるときに一番大事なこととして「つみたて投資」をあげました。自分たちのできる範囲で淡々と積み立てていくことで将来大きな差になります。つみたてNISA・小規模企業共済・iDeCoなどをうまく利用することが重要です。例えばiDeCoは、万が一会社経営がうまくいかず破綻したとしても差し押さえすることができないというメリットがあります。藤野様は、自分と家族のためにも、自身の年齢や状況を踏まえて、これらを組み合わせて投資していくことの大切さを述べました。

 また、経営を離れた後にとるべきお金の戦略についても述べています。投資という観点では、止めないことが重要であるため継続的に投資を続けることが大事です。また、やりがいや生きがいを得るためにも未上場企業に投資することを推奨しています。さらには、寄付を通して地域に貢献し紺綬褒章を得るということも選択肢としてあげています。

見逃し配信

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コンサルタント紹介

業界再編部 製造業界支援室 古谷 高章 
埼玉県出身。慶應義塾大学商学部卒業。大学時代はボート部に所属し、新卒で日本M&Aセンターに入社。現在は製造業界M&Aの専任担当として、全国の中堅・中小企業の支援に取り組んでいる。