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M&Aレポート

2022年調剤報酬改定セミナーを開催致しました!

2022.2.25

  • 調剤薬局

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<よい良い医療を提供する薬局経営の実現を目指すために今やるべきこととは?>

2月20日に、調剤報酬改定セミナー~より良い医療を提供する薬局経営の実現のために~と題した経営者向けセミナーを東京会場およびオンラインライブ配信にて開催いたしました。

第一部では当社の調剤薬局業界専門のコンサルタントであり累計100件超のM&Aを担当してきた瀬谷が、2022年度調剤報酬改定の要点と最新の業界動向について解説させていただきました。第二部では譲渡オーナー体験談として、2017年にM&Aを実行された、株式会社鈴木薬局の鈴木会長に登壇いただき、実際に譲渡を決断された際の想いや譲渡後の心境をお話しいただきました。

本セミナーの様子をレポートします。

【第一部 2022年度調剤報酬改定のポイントと未来を見据えた薬局経営】

<次回改定に向け注目すべき9つのポイント >

第一部では、4月に控える2022年度の調剤報酬改定を題材に、改定のポイントと、今後の薬局業界の動向について解説。報酬改定により薬局の在り方が大きく変わっていくことが予想される中、ビジネスフェーズを引き上げ、より良い地域医療を実現するために必要な戦略について、事例を交えながら発信しました。

2022年度の調剤報酬の注目ポイントとして9つの項目を解説しました。今回の改定は、立地から機能へ、対物から対人へという従来の流れを汲み、薬剤師の職能を広げ、薬局経営の在り方を大きくかえる転換点となるものです。特に、リフィル処方箋や、オンライン診療・服薬指導、電子処方箋の推進によって、従来の立地依存型のビジネスモデルでは、患者の獲得が難しくなることが予想されます。

<立地依存からの脱却を最優先に見据えた次回の調剤報酬改定>

改定により薬局の未来が大きく変わる中、かかりつけ機能の充実、在宅やIT化への対応、医療機関との連携等、対応すべき課題は数多くありますが、薬局が生き残っていくためには、10年後20年後を見据えた経営戦略を立てていく必要があります。

【第二部 譲渡オーナー体験談~会社の成長を実現するためのM&A】

<業界の将来を考える中で下した決断とは?>

第二部では、実際に業界の将来を考える中で、M&Aによる資本提携を決断なさった譲渡オーナー様を招き、体験談をお話頂きました。

譲渡オーナー様プロフィール

・株式会社鈴木薬局 代表取締役会長 鈴木達弥 様
薬学部を卒業後、大手企業で5年間勤務。当時、ハワイに旅行に行った際に目にしたドラッグストアの業態に衝撃を受け、帰国後、埼玉の上尾にてドラッグストアを独立開業、その後10店舗まで拡大。しかし、バブル崩壊で売上が半減、ドラッグストアから調剤薬局へと業態を変えることで、企業存続の危機を乗り越える。20年間で23店舗、売上31億円まで会社を成長させ、2017年、I&H(当時の阪神調剤薬局)へ株式譲渡、グループの仲間入りを果たす。現在も、代表取締役会長として経営に携わる。

株式会社鈴木薬局は、2017年当時、売上31億円、埼玉で調剤薬局23店舗を展開。10年で売上100億円という経営計画を達成するために、阪神調剤薬局(I&H)のグループ入りを決断されました。鈴木会長は資本提携後も経営に携わり、この3月で資本提携後5年が経ちますが、売上を31億円から55億円まで成長させることに成功しています。

<以下、実際の当日の内容をレポート致します!>

Q.創業の経緯を教えてください。
A(鈴木様).大卒後は大手で5年間ほど勤務していましたが、薬剤師として患者さんに対しより良いサービスを提供したいという想いがあり、どこか物足りない部分を感じていました。またハワイに行った際にドラッグストアをみて感激し、日本でも同じ業態に挑戦しようとおもい、埼玉の上尾で独立開業。当時は調剤はやらずにOTCのみを扱う店舗でした。その後、順調に店舗を増やし10店舗まで展開しましたがバブル崩壊で売上が半減。戦略変更を余儀なくされ店舗を徐々に減らしていくことになりました。1994年には、調剤薬局へと業態変更し、企業存続の危機を乗り越えました。

Q1994年に調剤に業態変更され、約20年間で23店舗まで店舗拡大させた成長戦略・手法を教えてください。
A(鈴木様).当時、営業は社長である私が一人で行っていました。ドクターに対し、10件訪問し会ってくれるのは3件、まともに話を聞いてくれるのは1件。院外処方への理解が浸透していないという時代背景もあり、営業の大変さを実感しました。その後、徐々にドクターから声がかかるようになり、年に10件ほど話をいただくようになりましたが、会社として新規出店は年2店舗の出店と決めていました。それは、急速な成長は、資金、従業員、サービスの質の悪化を招いてしまうため、年成長率も135%までと決めて無理のない成長を続けてきました。

Q.当時、50店舗60億円企業という目標を掲げていました。その中で、最初にM&Aの活用を考えたきっかけを教えてください。
A(鈴木様).どうせやるなら埼玉でトップを目指したいという思いで店舗数50店舗を目指しました(当時は1店舗あたり売上が平均1.2億円)。

50店舗60億円企業を目指す中、最初にM&Aに触れたのは15年前の55歳の時、当時新規出店した店舗を譲渡しました。社長であるわたしが自ら店舗に入って運営をしていましたが、私自身が大腸がんを患ってしまい、現場に出ることが困難になってしまったので、その1店舗については譲渡せざるを得ませんでした。

さらに、60歳になった10年ほど前には、もう1店舗を譲渡しました。薬剤師の人材管理が難しい店舗であったためです。日本M&Aセンターのセミナーには毎回参加しており、非常に勉強をさせて頂いていた縁もあり、仲介については日本M&Aセンターさんにお願いしました。この際、非常にスムーズにお相手を見つけて頂き、ストレスなく満足の行く条件で事業譲渡を成功させることが出来ました。

Q.その後2017年には株式譲渡をご決断されました。親族・社内承継ではなく、第三者承継を選んだ理由を教えてください。
A(鈴木様).わたしには、娘が2人おりどちらも薬剤師でしたが、どちらも経営者には向いていないと考えており、親族承継は選択肢にありませんでした。ですので、当初考えていた承継方法は社員承継でした。社内で一番優秀な社員に、社長として将来任せたいと思い、本人も承諾してくれていました。しかし、株の承継問題、借入金の問題、今後の投資資金の問題もあり、自社単独での成長だけではなく、どこかのグループの仲間入りをして成長をしていく選択肢を検討し始めました。一部の人間から、「体制が変わってしまい今までのように患者さん第一の取り組みができなくなってしまうのでは?」「給料が下がってしまうのでは?」といった不安が出ましたが、そういったことがないようなお相手探しをしようということで前に進めることにしました。

Q.譲受企業を選ぶ際の基準を教えてください。
A(鈴木様).わたしが実際に相手探しをする際に希望したのは以下の通りでした。

・社員の雇用を守ってくれる会社(給与水準、福利厚生面)
・相手と自社の理念・企業文化が一番近い会社(患者、スタッフを大事にする)
・10年計画(10年で売上100億円)を後押ししてくれる、途中であきらめない(毎年投資をしてくれる会社)、親会社となる会社の経営計画を押しつけるのではなく、鈴木薬局の経営計画を尊重してくれる会社
・自社のレベルアップ(従業員のスキル、会社組織)につながる会社
・今後も、業界で上位3位には残ってくるだろう会社
・店舗名を5年は残してくれる会社

Q.最終的に、阪神調剤(現在のI&H)を選ばれた理由を教えてください。
A(鈴木様).有難いことに数社が手を挙げてくれましたが、会社理念が一番近く、条件面もすべて飲んでくれたのが阪神調剤薬局でした。譲渡してから4年たちますが、実際、会社の企業風土は全く変わっておらず、むしろ良くなっている部分が多いです。例えば福利厚生面では、従業員に支給する退職金を増やすことができました。また、現在は70歳まで勤務可能な制度を作ろうとしています。採用面では、大手グループに入ることで非常に楽になりました。ただ採用できるだけでなく、将来の店長候補になるような優秀な人材を選べるようになり、会社のレベルアップにつながっています。

Q.2017年6月30日に成約式を行っておりますが、最終契約書を締結した際のお気持ちや、従業員・ドクターへの開示の際の反応を教えてください
A(鈴木様).社内では役員会で数回議論を重ねました。一部役員からは不安の声も出ましたが、最後は社長の判断を尊重するということでM&Aによる資本提携を進めることになりました。後継者候補であった社員も社長の判断に従うと言ってくれました。
その後、ドクターへの開示を行いました。院長全員と個別に食事をして開示していきましたね。日頃から正直に思ったことを伝えるようにしていたので、ドクターには納得いただけました。譲渡後も体制は変わらないこと、5年間はわたし自身も会社に残ることをお伝えしていたので、ドクターにも安心していただけました。新聞発表・プレスリリース後には、社員向けに説明会をしました。異動・転勤の有無や給与・待遇面への質問がありましたが、大きな反発もなく無事に開示出来ました。
現在では、「大手と一緒だからコロナ禍でも安心して働けている。家族の具合が悪くても休めないとか、会社の経営状況を心配する必要がないのでよかった。」といった反応もあるほどです。

Q.現在の鈴木薬局の状況を教えてください。
A(鈴木様).振り返ると、薬局経営の社長の仕事というのは、半分が資金面の調整でした。大手グループに入ることで資金面の煩わしさが解消され、現在は経営計画や社員対応に注力することが出来るようになっています。

Q.今後M&Aを考えている方へ一言頂戴出来ますでしょうか。
A(鈴木様).M&Aをして良かったというのが率直な感想です。時間と精神的な余裕が非常に増え、会社の経営をしながらも、家族孝行も出来ています。私は62歳くらいから譲渡を考え始めて、64歳で決断しました。埼玉の経営者団体に所属していたので、色々な社長を見てきましたが、事業承継が上手くいっているケースというのは5年ほど後継者の面倒を見てあげている場合が多かったです。逆に、社長が急逝したケースなどは後継者が非常に苦労していました。今年の3月で会長に就任してから4年が経ち、幹部たちがひとり立ちできるようになったので、当初5年の予定を早めてこの4月からは退任して相談役になる予定です。

わたしは70歳を迎えますが、日本人の健康寿命の平均は72歳で、平均から考えると元気に動けるのはあと2年しかありません。今は日本の100城を東から回っていますが、あと2年で全て回りたいと思っています。

【最後に】

<社長自身、ご家族、社員の方々にとってベストな選択とは?>

今回のセミナーでは、調剤報酬改定をテーマに未来を見据えた薬局経営について講演をさせていただきました。また、譲渡オーナーの体験談として、鈴木会長に登壇いただき、M&Aのリアルな部分を語っていただきました。今後の薬局経営の一助となりましたら、幸いです。セミナー資料のお渡しや、M&Aのご相談については、随時承っておりますので、弊社の調剤薬局専門コンサルタントにお悩みをお聞かせください。

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