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M&Aレポート

物流業界M&Aの情報の集め方を解説|仲介会社を見分ける3つのフレーズを紹介!

2022.5.27

  • 物流

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近年物流業界のM&Aが急増しています。
大手物流会社が、地方の中堅企業を譲り受けるなどの事例が相次いでいます。大手企業のM&Aが次々に公表される水面下で中堅・中小の企業のM&Aも増加をしています。
本コラムでは、M&Aをするにあたり、一番初めにするべき「情報収集」に焦点を当てて解説をしていきます。

どこから、どんな情報を集めればいいのか?

まず、「情報収集」とは、具体的にどんな「情報」を集めればいいのでしょうか。
もちろん、M&Aを検討するのにあたり、「譲渡」を検討されているのか「買収」を検討しているのかで気にするポイントが変わってきます。

いずれにせよ、「どこから(誰から)」「どんな情報」をという視点が必要です。「どんな情報を」を開設する前に「どこから(誰から)」からお話します。

「どこから(誰から)」を判断するべき視点と質問

M&Aのお話はあらゆるところから入ってくるような時代に突入しています。物流業界では特に下記のようなところからの話が多いと思われます。

・取引銀行
・顧問先の税理士事務所
・M&A仲介会社
・荷主などの取引先

このようなところから、譲渡企業の紹介やもしくは譲受けの候補先の紹介等の話がかなり増えているのではないかと思われます。

特に、M&A仲介会社は近年かなり増加をしており、その数は数百にも及ぶものとされています。M&A仲介会社が増加する中、中小企業庁も指摘している通り一部ではトラブルが発生しているようです。
とは言え、「みんな似たような名前をしているし、見分けがつかないよ」というのが本音のところではないでしょうか。

「良いM&A仲介会社」を見分ける質問3選

そのため、ここで「良いM&A仲介会社」を見分ける質問をいくつか紹介します。
「M&A後にトラブルがない」「ベストな相手が見つかる」「良い条件が付く」M&Aを実現するために、初めの情報収集は重要な意味を持つのです。

①「成約率はどのくらいなの?」

M&Aは通常、お相手探しをし始めるタイミング、もしくは買収の交渉を始めるタイミングで、仲介会社と「提携仲介契約(アドバイザリー契約)」をします。この契約のうちどれくらいが無事成約までいっているのか?という質問になります。
品質に自信のないM&A仲介会社は、譲渡企業の譲渡の契約数をアピールして勝負をするケースが多いです。その場合、成約率は必然的に下がることになってしまいます。量で攻める場合については、着手金をもちろん無料にして、母数を増やす作戦がとられると言われています。
「着手金は0円ですので、とりあえず私たちと契約をして、お相手探しをしてみましょう」という文句にのってしまうのは大変危険です。「タダ程高いものは無い」という言葉の通りです。提携仲介契約には、通常「専任条項(他の仲介会社と並行してお相手探しを進めることが出来ない)」の文言がついていますから、お相手探しを進める中で、違和感を感じても、既に手遅れなのです。

②「車庫飛ばしの場合はどうなりますか?」

良いM&A仲介会社は、業界に特化をしていますので、業界に関する質問をしてみましょう。物流業界では、「車庫飛ばし」「償却性ドライバー」「2024年問題」「水屋」「運行管理者」などのキーワードについて質問をしてみるといいでしょう。もしも、その担当者が答えられないケースには「お宅の会社には、業界に特化した方はいますか?」と聞くと良いです。適当にごまかされるようであれば、他の会社を検討することをお勧めします。
M&Aは業界に応じて、留意すべき点や必要な知識が変わってきます。物流業界では特に、論点の多い業界ということで有名です。グレーな部分が多いですし、エリアによっての常識なども異なってきます。そのあたりを最終契約書の中に盛り込んでいくかどうかで、M&A後のトラブル発生率は全く変わってくるのです。

③「PMIについて、どうお考えですか?」

PMIとは、Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、M&A成立後の統合プロセスのことを指します。要するに、M&Aで別々の会社が今後協力をしてやっていくうえでの、統合の部分を指します。この部分が上手くいけば、相乗効果を生むでしょうし、M&A後にトラブルばかりが起きていたのでは、それどころではありません。
そのM&A仲介会社が「成約(最終契約の締結)」を求めているのか「成功(相乗効果の実現)」を求めているのかが明らかになる質問です。もちろん、仲介会社は後者であるべきです。ですが、M&A仲介会社は最終契約書の締結をもって報酬が発生するケースが多いため、統合の部分のことは考えずに、最終契約書の締結を一番に考える企業があることも事実です。

「どんな情報」を集めればいい?(譲渡を検討されている方)

譲渡を検討されている方(選択肢の一つにある方)は、まずは「イメージに具体性をもたせる」ことを意識して情報収集を行うことが重要です。具体的には、下記のような情報を集めるといでしょう。

・自社の株価シミュレーション(相続税評価ではなくM&A評価)
・譲受候補先のイメージ
・自社に似ている企業の譲渡の事例
・全体の流れとスケジュール感
・仲介会社の報酬の費用感について

そもそものM&Aとは何か、他社ではどのような事例があるのか、自社が仮に進める場合はどのような候補先が出てくるのか、またその数はその時点でどれくらい出てくるのか。簡易的に株価の評価を行い、大方の譲渡時のイメージをつけることとなります。

物流業界では、マッチングがかなり重要な指標で、○○社と組むとこのようなシナジーが予想される等、今までに何件もM&Aをしている企業の戦略を知ることは参考になると思われます。

例えば、当社では、この段階で簡易的な株価の算定を実施し、「どのような株価の算定方法で」、「自社がM&Aを実施すると」、「どれほどの株価で取引がなされるのか」をシミュレーションができる形をとっています。(▼無料株価診断)

また、事例を知ることも大いに参考になるでしょう。中堅・中小のM&Aの事例は意外に探しても見つかりにくいケースが多いです。それは、中堅・中小企業のM&Aの場合、成約をしても、その事実を公表しないケースが非常に多いためです。(上場企業がリリースの義務があるので、ほぼ必ず公表します。)そのため、仲介会社等に、相談をして、似ている事例がないかどうか聞いてみることは重要です。社名は伏せた形で、事例を紹介してくれるでしょう。そのため、情報収集フェーズでは、なるべく事例が多い企業に相談をしていくことをお勧めします。

「どんな情報」を集めればいい?(買収を検討されている方)

買収を検討している企業は、下記のようなものを集めるといいでしょう。

・ノンネーム情報(案件情報)
・他社のM&A戦略事例
・全体の流れとスケジュール感
・仲介会社の報酬の費用感について
・自社の株価シミュレーション(相続税評価ではなくM&A評価)

案件情報については、まずはノンネーム情報で集めるといいでしょう。ただし、物流業界では現状売り手市場であることもあり、スピード感がかなり早いというのが特徴として挙がります。そのため、ノンネーム情報をみて、検討をしたいと決断をしても、既に進んでしまっていた!ということも多く見受けられます。そのため、早い情報収集と決断力が求められます。

また、他社の戦略について情報を集めるのもいいでしょう。M&Aをしている企業がどこを目指し、どのような判断軸で戦略を進めているのかを知ることは自社の成長に必ず役に立つでしょう。

加えて、少し意外かもしれませんが、買収を検討している企業も自社の株価算定をする会社が増加しています。
それは、「譲渡企業の売買価格の判断基準として自社の価値を知りたい」という理由です。もしくは、「自社の時価総額を知りたい」という理由で簡易算定をする企業もございます。

中堅・中小企業は上場企業と違い、常に外から自社の価値が評価されるようにはなっていません。上場企業の場合ですと、期待値や市況なども踏まえて株価がつきますが、非上場企業ではそれがありません。

ただし、M&Aの市場は時価総額と似ている環境にあります。期待値や業界の状況の中で株価が決定されますので、そのあたりを数字に反映をさせることが出来るのです。

まとめ

いかがでしょうか。適切な情報を、適切な情報源から入手をすることが、「成功するM&A」の第一歩なのです。
M&Aへのご関心、ご質問、ご相談等ございましたら、下記のお問い合わせフォームにてお問い合わせを頂ければ幸甚です。
▼お問い合わせフォーム

コンサルタント紹介



株式会社日本M&Aセンター 
業界再編部 物流業界専門グループ チーフ 宮川 智安

群馬県出身。実家は七代続く水産業の卸売。早稲田大学卒業。大学時代は競走部に所属(400mで全国IH準決勝)、2020年新卒で日本M&Aセンターに入社し、全国の物流業界を専門にM&A業務に取り組む。運行管理者資格保有。2021年度新人賞。