MENU
CLOSE

M&Aレポート

ファッション・衣料業界のM&Aシリーズ 第一章

2023.5.1

  • 衣料

Facebook Twitter LINE

こんにちは。(株)日本М&Aセンター衣料業界専門グループの白鳥雄飛です。
当コラムは日本М&Aセンターの衣料業界専門グループのメンバーが業界の最新情報を執筆しております。
本日から数回に渡り、衣料業界のM&Aについて動向やトピックスなど解説して行きます。

衣料業界のM&Aは大再編が起こる時代に

私は日本M&Aセンターの業種特化事業部という部署で、衣料・ファッション・アパレル業界を専門にM&Aの仲介をさせて頂いております責任者の白鳥雄飛と申します。これから我々のチームで、約12回に渡って衣料・ファッション・アパレル業界のM&Aについてのコラムを掲載させて頂きますのでよろしくお願いいたします。

まず、冒頭のテーマである「衣料業界のM&Aは大再編が起こる時代に」というタイトルにもあるように、現在2023年でありますが、今後5~10年以内に、この業界は日本史上最もM&Aが起こると言えると私は思っています。今回はデータやマクロ経済などのお話はしません。現場で私が汗水たらして率直に感じたことを書かせて頂きます。

私は当事業室の責任者として、自ら手を上げて立ち上げを行い、2023年4月時点で約6ケ月間、全国の衣料業界の社長に毎日2,3件アポイント(ZOOM含む)を頂戴し、M&Aに関する面談を行って参りました。累計すると約200社の社長と面談をしてきました。同時期にこの衣料業界でM&Aに関わるコンサルタントの中で、日本で一番、業界のトップの方々のお話を聞けていると自負があります。対象は売上1億円以上の企業様で、繊維の製造、OEM製造、小売、EC、SNS系。商品も重衣料・軽衣料、ユニフォーム、下着、靴下、靴、ベビー服。ラインもファストファッション、プレタポルテなど幅広くお話をお伺いしてきました。

本当に様々なお話を伺いましたが、そこで分かったことが、2つあります。

・現在生き残っている企業は必ず強みがあること
・脱 旧態依然思考を行い、XXXとのコラボレーションでまだまだ伸びる!

大きく、そして明確に、このことを私は感じましたし、これだけの企業のトップの方と会談をさせて頂き、確信していることです。
この2つについての詳細は目次3で触れたいと思います。その前に、次の内容は直近のM&Aの事例についてご紹介いたします。

ブランド価値が評価される業界、○十億円も夢ではない?!

私が責任者として動き出した年に並行して、大きなニュースがありました。

取り扱っているブランドが有名どころとしては、
・ジェラート ピケ
・A.P.C.(アーペーセー)
・ジャーナル スタンダード
これらはアパレルに関わる方以外の一般の方々でも知名度が高いブランドではないでしょうか。
これらのブランドに関わる企業がM&Aを実施しました。

ジェラート ピケ等を手掛ける売上規模1,000億円のマッシュホールディングスが、2022年11月に米国系PEファンドであるベインキャピタルに2,000億円規模でM&Aされるセンセーショナルなニュースが飛び込んできました。マッシュホールディングスの近藤社長は47歳です。

また2023年3月には、LVMHグループ系列のファンド会社 LキャタルトンがA.P.Cの株式を過半数取得するというニュースが入ってきました。

また国内のセレクトショップ最大手のベイクルーズは、2021年4月にラグジュアリーブランドからストリートブランドまでを取り扱う人気ショップ「NUBIAN」を展開するヴェイパースと資本業務提携を締結しました。また2023年3月には、TSIの「MASTERMIND TOKYO」のオンラインストア事業がベイクルーズへと移管されることが公式発表されました。

上記の事案の中でもマッシュホールディングスの事例は、同業における過去最大のM&Aであるといえます。またその他でも大手どころが動いてきており、これからの業界が大きく変わる狼煙であると私は思います。

この業界のM&Aの特徴は、いわゆる事業承継型や救済型のM&Aではありません。
いかに今乗っている売り手企業と手を組み、ともに成長戦略を描くかがポイントになります。この手の事例ですと、買い手企業は売り手企業の成長余力に投資をするため、高いのれん代がつくケースもあります。

斜陽産業ともいわれる業界だが、手を組むことで成長へ

最後に、目次①でお伝えした、
・現在生き残ってる企業は必ず強みがあること
・脱 旧態依然思考を行い、XXXとのコラボレーションでまだまだ伸びる!
についてお話します。

私がお会いした社長のみなさんが口を揃えて仰られるのは、ガチャマン時代の昔はよかった。今は斜陽産業、人も集まりづらい。小売の取引先から上代からの掛け率の低さに辟易している。業界がよくない。など、多くの不満を伺って参りました。

でもある時ふと感じたのは、その逆風が吹く中、かなりの同業プレイヤーがここ30年程で潰れていったのも事実です。しかし、今私と会話をしている社長の会社は生き残っています。
何かしらの強みや、運、企業努力がなければ、現在存在していないに違いありません。
ただ皆様は自社の強みを言語化できていないし、気づいていないケースが多いです。

そして2番目。○○と掛け算して爆上がり経営せよ、ということです。
2~30年前は、雑誌を見たり、百貨店に行ったり、トレンディTVドラマを見たり、ニッセンカタログをみて服を買うことが普通でした。今はご存知の通り、ZOZOTOWNやインスタグラムなどのSNS、有名人のYouTube、セレクトショップなどでさっと流行を確認したり、インターネットで買い物をすることが当たり前になりました。また服の原価情報がインターネットで簡単に把握できる時代になりました。
流行を作るものが、出版社やマスメディアなど大きな企業の時代から、今は個人ないしは共感性の高い集団へとシフトしています。そこで絶対に必要なことが、ファッションと何かを掛け合わせることだと思います。

飲食や音楽、インターネット、直販、商標を使ったブランドビジネス、インフルエンサーを活用するSNS、農業、SDGs、ブロックチェーントレーサビリティ等、行きつくところは、人の人生やカルチャーにいくのだと思いますが、掛け合わせるものは無限にあると思っています。

これを実現できる最も効率の良い方法が、M&Aです。

いかがでしたでしょうか?
今後も衣料業界専門グループから最新の業界情報をお届けさせて頂きます。

衣料業界のM&Aへのご関心、ご質問、ご相談などございましたら、下記のお問い合わせフォームにてお問い合わせを頂ければ幸甚です。
買収のための譲渡案件のご紹介や、株式譲渡の無料相談を行います。
また、上場に向けた無料相談も行っております。お気軽にご相談ください。

■衣料業界専門グループビジョン■
日本全国に点在する技術・ブランドをM&Aで存続させ、全国に広める

■<業界再編M&A> https://reorganization.nihon-ma.co.jp/
調剤・IT・建設・住宅・運送・食品・製造・医療業界などを
業界毎にM&Aの専門家が解説している専門サイトです。


最新セミナー情報

業界初!ファッション、衣料業界に特化したM&A勉強会を東京、名古屋、大阪で開催いたします。
アパレル業界の動向について、提携先であるBioworks株式会社の滝越氏による講演、その後、実際にアパレル業界のM&Aの成約事例について解説していくセミナーです。

■会場
・東京会場:6月1日(木)(東京本社 鉄鋼ビル22階 セミナールーム1)
・大阪会場:6月7日(水)(大阪支社 梅田阪急ビル36階 セミナールーム)
・名古屋会場:6月8日(木)(名鉄グランドホテル 会議室)

■時間
15:00~16:30

■内容
【Bioworks株式会社×日本M&Aセンター】
「変化が求められるアパレル業界におけるM&A戦略とは?」

・第一部【講演】アパレルのM&A動向/15:00~15:45
Bioworks株式会社 滝越 潤 様

・第二部【対談】アパレル業界のM&A事例/15:55~16:30 
Bioworks株式会社 滝越 潤 様
日本M&Aセンター 白鳥 雄飛

■対象
各会場50名(アパレル業界のM&Aに関心のある経営者)

■開催形式
リアル会場での実施

1985年宮城県生まれ、2018年から日本M&Aセンターへ参画後、外食店舗、パン小売店、アパレル領域、食品物流、食品クロスボーダー案件、ECショップなど主に衣食に関わるライフスタイル領域のM&Aを中心に手掛けている。

業種特化2部 食品業界専門グループ 
シニアチーフ
白鳥 雄飛