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M&Aレポート

『後悔を残さない経営』M&Aコンサルタントが経営者に推薦する1冊

2019.11.27

  • M&A全般

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『後悔を残さない経営』の要約・あらすじ・特徴

経営者が60歳になったら考えなければならないこと

60歳という人生のターニングポイントで考えるべき点として、 (1)自分の健康について注意を払うこと、(2)事業承継の準備を始めること、(3)さらなる会社の発展・成長を実現すること、(4)財産承継の準備を始めること、(5)リタイア後の人生を豊かなものにすること。以上の5点があります。

なかでも、(2)事業承継の準備は、遅くとも60歳までには始めたほうがいいと考えます。会社は子どものような存在であり、経営者は従業員とその家族の生活も背負っているからです。

大廃業時代が意味すること

しかし現実には、国内企業の約3分の2に後継者がおらず、年間3万社が廃業しており、いずれは年間5万社の「大廃業時代」に突入するといわれています。廃業すれば、社員を解雇せざるを得ず、社員と家族の生活がままならなくなってしまいます。

最悪のシナリオとして、自身の全財産を処分しても借金が残り、自己破産も考えられます。一方で、会社を存続させることができれば、会社に関わるすべての人の未来が開けてきます。

経営者は、この両極端の差を認識し、遅くとも60歳のタイミングで事業承継の準備を進めるべきだと著者は強調しています。

事業承継は3パターンに分類される

中小企業庁の『事業承継ガイドライン』によると、事業承継には (1)親族への承継、(2)社員への承継、(3)第三者への承継の3つの方法しかありません。

その中でも(3)の第三者への承継(M&A)を選んだ場合、「後継者不在問題を解決し、事業承継を実現できる」「創業者利潤を確保できる」などといったメリットがあります。

自社を第三者(他社)に譲渡するのは、経営者として恥ずかしいと感じる人も多くいましたが、今では逆に、M&Aができるのは経営者としての成功という価値観が主流になってきています。
M&Aで譲渡できる会社は、魅力があり、社会から必要とされているという証だからです。

財産承継というもう1つの課題

事業承継に着手したら、次に考えるべきことは、財産承継です。万一、経営者が何の方向性も示さずに亡くなってしまうと、親族は財産をどうすればいいかわからず途方に暮れてしまいます。

まずは、財産の全体像を知るには、財産の棚卸をして、「財産シート」に書き出してください。詳しくは本書に記載があります。

そして財産シートで財産の概要がわかったら、自分が亡くなった後の財産分与の方向性を、遺言書で示してください。この配分を決めておかないと、親族間で不必要なもめごとが起きてしまいます。

経営者が財産分与や相続の仕方などを整理し、遺言書をつくることで、自分の人生の方針が決まり、最終的には、先行きの不安感が消え、あなたの家族もすっきりした気持ちになれるはずです。

『後悔を残さない経営』を推薦する2つの理由

事業承継は会社を成長させる重要なトリガー

事業承継をトリガーとし、会社を大きく成長させようと考える経営者が増えています。
1つは、M&Aを利用して相乗効果(シナジー)のある「大手の傘下に入る」という戦略です。

優秀な経営者人材や豊富な資金、信用力、販売ネットワークなどの資本を供給してもらうことで、経営課題を解決し、さらなる成長を描けるようになります。

2つ目は、「ファンドと組む」です。ファンドに株をもってもらうのなら、事業会社としての独立性を保ったまま「プロ経営者」とともに会社を発展させることができます。

「どのような会社と手を組むことで会社を成長させられるのか」こうしたことを十分に検討した事業承継では、会社を大きく成長させることができます。
事業承継の世界では、単なる会社の売買や、後継者不在問題の解決という動機は、もはや時代遅れなのです。

経験した者だからこそわかる頻出論点

また、経営者が賢く財産を引き継がせるためのQ&Aがまとめられています。

「相続税評価額の見当をつける方法」「遺産分割トラブルを避けるためのポイント」「PEファンドの上手な活用方法や自社株の所有者と経営者を分離したときに起きる問題への対処法」など、極めて実践的なアドバイスが満載です。

また、M&Aによる事業承継を実現させた経営者たちの成功事例が紹介されており、事業譲渡を決意したきっかけから、譲渡先の企業を選ぶ際のポイントなどリアルな内容が記載されています。

京都大学経済学部を卒業後、キーエンスでセールスエンジニアの経験を経て、日本M&Aセンターに入社。ITソフトウェア業界を専門とし、地域問わず中堅・中小企業の事業承継及び成長戦略に関するコンサルティング業務に注力している。

上席課長
製造業界支援室 室長
太田 隼平