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M&Aレポート

【年別M&A】2017年・調剤薬局業界のM&A

2019.10.21

  • 調剤薬局

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2017年の調剤薬局業界M&A一覧

レコフによると、2017年の調剤薬局業界のM&A件数は22件でした。

2017年の公表されているM&A一覧(出典:MARR)をみると、例年に変わらず阪神調剤グループが最も多いことが見て取れます。阪神調剤グループは10年前には業界9位でしたが積極的なM&Aにより、現在は業界5位の店舗数と言われています。

阪神調剤グループがM&Aを成功させている理由は大きく二つあります。それは、ファイナンスとPMIです。

ファイナンスについては、業界他社が銀行借り入れに頼っているところ、阪神調剤グループはプライベートエクイティのアントキャピタルパートナーズと合弁会社をつくることで資金を調達することができています。

2つ目のPMIについては、「地域のことはその地域の会社が最もよくわかっている」という考え方のもと、譲渡後も法人と看板をそのままにし、オーナーにはそのまま代表として継続して経営させる方法を採用することで、オーナーからの満足度が高くなり、譲渡を考えるオーナーに候補先として選ばれやすくなっています。

当社でも過去300社のお手伝いをしてきましたが、阪神調剤グループは譲渡後のオーナーの満足度が最も高い会社の一つです。

2017年を代表する調剤薬局業界のM&A

阪神調剤ホールディングと至誠堂下山薬局本店のM&A

創業からおよそ100年、秋田県大仙市を中心に11店舗を展開する至誠堂下山薬局本店が阪神調剤ホールディンググループに譲渡しました。

下山薬局は3代目で、ご長男は薬学部の6年生でしたが、10年後、20年後、下山薬局が成長しているためには、だれが株を持っているべきなのかという考えで、阪神調剤グループに譲渡しました。

阪神調剤グループは、それまで秋田県には1店舗のみ展開していましたが、下山薬局を譲り受けることにより、秋田県及び東北の今後の事業展開の拠点とすることができました。

メディカルシステムネットワークとアポテックのM&A

青森県で14店舗を展開するアポテックグループが、メディカルシステムネットワークグループに譲渡しました。

アポテックのオーナーはすでに引退し、第三者がプロ経営者として代表を務めている中で、メディカルシステムネットワークの研修施設や自社開発のシステムを見て、一緒になった方がよりよい医療を提供できると考え、譲渡しました。

メディカルシステムネットワークは、それまで、関東はニチイ学館子会社のサンメディックを買収し、関西は阪急百貨店の子会社の共栄ファーマシーを買収し、九州は福岡のトータルメディカルサービスを買収することで全国の拠点を確立していましたが、本件でアポテック社が東北地方の拠点となり、それまでメディカルシステムネットワークが運営していた東北の調剤薬局はアポテックが運営することとなりました。

上記の下山薬局と合わせて、東北における大手調剤薬局の勢力図が大きく変わり、再編の狼煙があげられました。

阪神調剤ホールディングと地域ホームメディケアホールディングスのM&A

地域経済活性化支援機構及びオーナー社長が株主であった地域ホームメディケアホールディングス(千葉県柏市と流山市にて調剤薬局事業(9店舗)、訪問看護事業、訪問介護事業を運営)が阪神調剤グループに加わりました。

柏市は先進的な在宅医療で有名ですが、その中心を担っていたのが地域ホームメディケアホールディングスでした。

阪神調剤グループは千葉県の拠点を得ただけではなく、地域ホームメディケアホールディングスが持つ在宅のノウハウを全国のグループ会社に広げることができたと考えられます。

2017年の調剤薬局業界M&Aの特徴

各地で中堅薬局の譲渡が始まった

鈴木薬局(埼玉県23店舗)、アポテック(青森県14店舗)、下山薬局(11店舗)、地域ホームメディケアホールディングス(9店舗)など地域をドミナントする薬局が譲渡をはじめ、組むことができた大手調剤薬局がその地域を独占する事例が目立ちました。

2017年を機に、大手調剤薬局のターゲットが1~2店舗から、中堅薬局にうつり、再編のフェーズが一つかわりました。

青山学院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社を経て、日本M&Aセンターに入社。 入社以来、調剤薬局業界の担当として地域問わず、中堅中小企業のM&Aに取り組む。 2020年3月度全社年間最多成約数を記録。

ディールマネージャー
調剤薬局業界支援室
沖田 大紀