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M&Aレポート

【2018年の外食業界M&A】150%成長を続ける外食業界のM&Aマーケット

2019.10.4

  • 食品

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2018年の食品業界M&A一覧

外食業界は市場の縮小に加え、人材確保の難しさや働き方改革への対応、仕入や物流の高騰、FC店などの場合ではオーナーの高齢化による店舗修繕の遅れなど、様々な課題を抱える中で、解決策としてM&Aが数多く活用されています。

2018年の食品業界のM&A件数は46件(MBO、連結子会社化を除く)でした。2017年が30件でしたので、1.5倍超の件数のM&Aが実施されたこととなります(2016年は17件)。

一方で、2017年には、トリドールHDによるアクティブソース(立ち飲み居酒屋晩杯屋の運営)や、株式価値100%換算で42憶のバリュエーションとなった、同じくトリドールHDによるZUND(豚骨ラーメン店ずんどう屋の運営)の買収、DDHDによる商業藝術の買収など、買収規模や業界に対するインパクトなど、特徴的な案件が多かったのに対して、2018年には、そのような案件が少なかった印象を受けます。

上の表からも分かる通り、以前は年商5億前後の譲渡企業が、外食M&Aマーケットのボリュームゾーンでしたが、2017年以降、年商2桁億企業の占める割合が増え、今後、外食業界再編が進むにつれ、年商10億円~30億円程度の中堅企業が、メインターゲットとなることが予想されます。

なお、市場規模25兆円と言われている外食マーケットにおいて、年商1000億円を超える大手外食企業11社の売上高の合計は、わずか10%の2.5兆円に留まっており、他の業界同様、今後は加速度的に市場の再編が進んで行くことが想定されます。

その際、上位5社~10社のマーケット占有率が増加するにつれて、被買収企業の規模もどんどん大きくなって行き、店舗数10店舗未満、5億円未満の企業が、M&Aで相手探しを行うのが非常に難しい状況になって行くことでしょう。

2018年を代表する外食業界のM&A

壁の穴×ジーテイスト「30店舗の崖の乗り越える、成長戦略型M&A」

成長企業が「30店舗の”崖”」を前に、より大手の傘下に入ることで成長速度を加速させるためにM&Aを活用する成長戦略型のケース。

30店舗の”崖”とは、飲食店は30店舗を超えたあたりから「管理面」「組織体制」「社内ルール整備」など内部管理体制を強化する必要があり、そのため、間接コストが大きく嵩み、結果的に、収益力を大幅に落としてしまうことを指します。

この崖を、大手企業とのM&Aを積極的に活用し、敢えて株を手放すことで、上場企業の様々な経営ノウハウ(物件情報、間接部門、人材採用ノウハウ、教育ノウハウ、経営幹部人材の獲得)を得ることで、更なる成長の実現を目指します。

AFC×ゼンショーHD「海外展開の加速」

国内の外食トップランカーは、国内でのポートフォリオ経営を加速する一方、海外進出も強化しており、特定の地域に集中したM&Aを積極的に行っています。

はしもと×クリエイト・レストランツHD「老舗の味を後世に残す、友好的事業承継型M&A」

老舗企業のM&Aは、いわゆる「2012年問題」の前後から徐々に増えてきました。2012年問題とは、団塊世代(1947年生まれ〜1949年生まれ)が引退年齢である65歳を迎え始める一方で後継者が不在であることから、事業承継問題が深刻化し始める問題のことを指します。

2008年には井筒まい泉がサントリーの傘下に入りました。後継者不在だけではなく、この時期は2009年のリーマンショックなど市場環境の変化など様々な要因はございましたが、2010年には高級フレンチの先駆けとされるシェ松尾が髙瀬物産の関連会社であるホーコーフーズ傘下に加わり、2014年には老舗料亭のなだ万がアサヒビールの傘下に入りました。

2018年は、1968年創業、札幌などでごまそば「遊鶴」など10店舗を展開する老舗外食企業。クリエイト・レストランツHDは、ブランドラインナップの強化、地方老舗企業の事業承継案件に取り組むことで、同地域でのグループ基盤の強化を目指します。

青山学院大学法学部卒業後、埼玉りそな銀行にて法人営業を経て2015年に日本M&Aセンターに入社。食品業界を専門として製造業、小売業、外食業などのM&Aに取り組む。17年は丸亀製麺を展開するトリドールHDと「晩杯屋」のアクティブソース、「ラー麺ずんどう屋」を展開するZUNDのM&Aを手掛けた。

課長
食品業界支援室 室長
江藤 恭輔