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M&Aレポート

調剤報酬改定が調剤薬局業界に与える影響

2014.8.26

  • 調剤薬局

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調剤報酬改定から4か月が経過

薬局開設者にとって2014年最大のイベントであった、調剤報酬改定が実施されてから、4ヵ月が経過した。消費増税対応分を除く実質ベースで-1.26%と、実に2008年以来6年ぶりのマイナス改定という厳しい内容であった。薬事日報が実施した改定直後の影響調査によると、薬局収入は、「減少した」が57%、「不変」が39%、「増加した」が4%という結果であり、医薬分業から40年を経て、右肩上がりだった調剤薬局業界は大転換期を迎えた。

問われ続ける薬局の存在意義

医療費の膨張を抑えるため、また薬局運営に期待される水準の上昇に伴い、今後の改定も厳しい内容になるものと見込まれ、従来通りの対応では減収は避けられない。地域医療との有機的な連携、在宅調剤や予防医療への取組、患者目線でのサービス提供等、薬局本来の存在意義が問われ、「立地が良いだけ」、「薬を渡すだけ」の薬局は淘汰される時代が来た。

M&Aの視点から見た改定の影響

今回の改定を受けた業界の変化として、私が日々、全国の個店薬局~大手チェーン薬局の経営者と直接お会いしていて感じることは、大手は依然にも増してM&Aに積極的だが、その対象を厳しく選別し始めており、小規模店の譲受には以前と比較し確実に消極的になっている。中堅薬局は、これまで買い一辺倒のスタンスだったところも、再編動向を見極め、大手へのグループ入りを選択肢として検討し始めた。小規模薬局は、今回の改定でそれほど影響がないものの、単独運営の限界を感じ、経営環境が良いうちに譲渡しようと考える相談が増えた。ということだ。

加速する業界再編

今回の改定&消費増税は薬局業界再編の引き金となるだろう。業界再編は、①小規模企業の譲渡急増、②中堅同士、又は中堅と大手との統合、③大手同士の統合、とステージは変わって行く。今は第2ステージに差し掛かった辺りか。今後、マイナンバー制の導入や処方箋の電子化等、ICT化が進めば業界構造は一気に変化する。これまでのビジネスモデルは通用しなくなるだろう。単独で企業価値を高めるための努力を続けるか、他社と手を組み荒波を乗り切るか、今回の改定は薬局経営者に重要な決断を迫ることとなった。

青山学院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社を経て、日本M&Aセンターに入社。 入社以来、調剤薬局業界の担当として地域問わず、中堅中小企業のM&Aに取り組む。 2020年3月度全社年間最多成約数を記録。

課長
調剤薬局業界支援室
沖田 大紀