MENU
CLOSE

M&Aレポート

地域包括ケア時代における地域医療の担い手は、中堅か、大手か。(1)

2016.8.9

  • 調剤薬局

Facebook Tiwter LINE

今後、「かかりつけ薬局」として選ばれるには

2016年7月2日、共栄堂(新潟県)がクオールと資本業務提携を行ったことが発表された。また、レーベンプラン(静岡県)は阪神調剤薬局と提携した。さらに、NPホールディングス(香川県)がアインホールディングスと提携したことも記憶に新しい。今、地方の中堅薬局の動きが非常に活発である。彼らの提携相手によって、調剤薬局業界における再編の構図が変わるといっても過言ではない。

薬学部が6年制となり、薬剤師の高い専門性が求められる今、所属する薬剤師がどれだけ専門知識をアップデートできているかが、今後の薬局の存在意義を左右する要因の一つだ。

私達がメディカルシステムネットワークとの提携をお手伝いしたトータルメディカルサービスの大野社長(現・メディカルシステムネットワーク代表取締役副社長)は、メディカルシステムネットワークが持つ北海道の研修施設を見学した後、「(メディシス社の薬剤師への)研修レベルは全く違った」と語った。

研修のレベルの差は薬剤師の質の差につながり、地域医療の差となる。ほんの数年前まで、日本全国の薬局どこに行こうとサービスに変わりはなかった。処方箋を薬と交換することが薬局の役割だと世間から思われているような時代だった。しかし最近では、住む町の「かかりつけ薬局はどこか」によって、受けられる医療・サービスの質が変わってきている。

再編の渦中にある調剤薬局業界は、M&Aの相手の幅が広がっている

地域包括ケアの時代を見据え、再編まっただ中の調剤薬局業界で、どのように薬局の質を上げ、地域医療に貢献していくのか。最近M&Aの現場で私達がお会いするほとんどの中堅薬局のオーナーは、「自社を譲渡」すること、「他社を買収」すること、どちらも連携であることに変わりはないと、両方の可能性を考え、提携する相手を選んでいる。

業界再編というと、「大が小を飲むばかり」と感じる方も多いと思うが、自社の立ち位置から譲渡、譲受両方を選べる、それだけ提携相手の幅が広がっている時機といえる。

したがって、大手では地域医療を担えない、地域密着薬局が独立して残っていかなければならない、として大手を提携相手から排除する考え方に固執するのは、地域、社員、オーナーにとって損なのだ。 (第2回へ続く)

青山学院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社を経て、日本M&Aセンターに入社。 入社以来、調剤薬局業界の担当として地域問わず、中堅中小企業のM&Aに取り組む。 2020年3月度全社年間最多成約数を記録。

課長
調剤薬局業界支援室
沖田 大紀