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M&Aレポート

業界M&Aトレンド2019(2)

2019.1.18

  • M&A全般

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(本記事はMA Channel―ちょっとためになるコラム―より転載されたものです。)
前回に引き続き、M&A件数が特に多い業界について、2018年~2019年の最新動向をお伝えします。

目次

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業界M&Aトレンド2019

製造業のM&Aトレンド2019・垂直統合によりビジネスモデルを深化

2005年頃は液晶の需要が旺盛で、シャープが富士通ディスプレイテクノロジーズを譲り受けるなど、特定マーケットにおける提携が主でした。
リーマンショックで大きな構造転換を余儀なくされた2008年の終わり頃からは製造業全般で落ち込みましたが、新興国需要にも支えられ息を吹き返してきました。

近年では、生産ラインのIT化やネットワーク化が大きなテーマで、「部分最適から全体最適」を実現するための企画・設計力が注目されています。
特にオーダーメイドでの専門機械を設計・製作している企業にはM&Aにおいて高い株価がついています。

例えば、板金加工機械世界大手のアマダホールディングス(売上:約3,000億円)はプレス機向け自動化装置のオリイメック(売上:約90億円)を株価125億円で譲り受けました。
プレス機メーカーから自動化ソリューションメーカーへとビジネスモデルの変革を図っています。

また、旭化成や積水化成等の素材メーカーによる国内外の自動車部品メーカー(Tier1.2)の譲受が活発化しており、その理由としてはエンドユーザー(トヨタ・ホンダ等の自動車メーカー)により近いポジションをとることでより、企画・開発力を強化するためです。なお、「トヨタ」「ホンダ」「日産」などの系列を超えた提携も頻繁に起こっています。

製造業の現在のM&Aトレンドは、「本業加速型のM&A」がメインと言えます。
さらには中小の製造業においても、「後継者不在」という理由だけでなく、息子さんなど後継者がいても、株式を売却し、オーナーやオーナーの息子さんが譲り受け企業の子会社社長として勤務するケースが出てきています。

・優秀な技術者を抱える産業機械メーカーのM&Aが目立つ
・業界内での垂直統合を通じて顧客ニーズに応える
・オーナー経営者が「第2の創業」のためのM&Aを選択

調剤薬局業界のM&Aトレンド2019 M&A件数は高止まり。IT化への対応が肝に

2018年最大のトピックスは、当社で仲介させて頂いた、大分県NO.1の地域薬局「永冨調剤薬局」と大手上場企業である「メディカルシステムネットワーク」の提携ですが、「中堅薬局×大手薬局」「小規模薬局×中堅薬局」などの組み合わせでM&Aが進行しています。

私たちは“6万店舗”が国内における拠点ビジネスの臨界点と定義し、「6万拠点の法則」と呼んでいますが、コンビニと同様に地域薬局も約6万店舗になり、ますます統合が進んでいます。2009年に大手10社のシェアはわずか9%でしたが、2018年には18%まで高まりました。
また、店舗のIT化が医療の質と経営の効率を高める肝となっており、カケハシの電子薬歴システム「Musubi」などのサービスが注目されています。

M&A件数が非常に多い調剤薬局業界では、過去に10社以上の買収経験がある買い手企業が数多く存在し、M&Aのレベルが非常に高い業界と言えます。価格のつけ方からPMIなどの買収後の統合までノウハウや知見が各企業に蓄積されています。一方で、ファンドや買い手企業、M&A仲介会社などが悪質なブローカーとして活動をするケースが増加しています。実際に業界内では、そういったブローカー会社が関わって「契約直前に売買価格が急落した」など、M&Aでのトラブルがいくつか起きております。日本M&Aセンター業界再編部では、そういったトラブルを未然に防ぐための「譲受け企業の格付け」や調剤薬局経営研究誌「Pharmaway」の刊行などを行っています。

・大手10社のシェアが2009年に9%→2018年には18%へ
・IT化が調剤薬局経営の肝
・買収監査後に売買金額を下げるブローカーが増加

運送業界のM&Aトレンド2019・大手企業の物流子会社切り離しが進行

食品や機械などのメーカーでは、自社で物流部門や物流専門の子会社を保有する企業が多かったのですが、自社製品の運送だけでは成長力に乏しく、切り離して物流専門会社に売却するケースが近年増加しています。
これは2000年代のIT業界と同じ流れですが、専門企業のほうが採用力も強く、人手不足問題にも対応しやすいというメリットがあります。

また、運送業界の垂直統合としては、倉庫業界と提携することにより、自社の配送網の効率化を進めるためのM&Aが増加しています。
運送業界も調剤薬局業界同様に、約6万拠点あるため、今後統合が進んでいく業界と言えます。
例えばガソリンスタンドは1993年に6万拠点でしたが、2013年には3.5万拠点まで減少しました。街の電気屋さんは1980年には5.7万社でしたが、2010年には3.1万社とそれぞれ20年から30年かけて拠点数は半減しています。

・運賃値上げに成功する企業と苦戦する企業の二極化が進む
・実質債務超過でもM&Aの成立するケースが多い
・大手企業による物流子会社の切り離しが進む

業界再編部は、「調剤」「IT」「建設」「不動産」「食品」「製造」「物流」など業種ごとに専門特化したプロフェッショナルチームです。より詳しい動向を知りたい方は、各専門家までお気軽にご相談ください。

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学生時代に起業を経験の上、2008年新卒2期生として日本M&Aセンター入社。2008年から2015年までの8年間で最優秀社員賞を3度受賞。M&Aプレイヤーとして、100件を超えるM&Aを成約に導き、同期間において中堅・中小企業M&AのNo.1コンサルタントとしてM&A業界を牽引してきた。業界再編M&Aの第一人者。M&Aのプロフェッショナルファームとなる業界再編部を立ち上げ、わずか3年後、11名で売り上げ29億円の部署に育て上げ、2019年には同社内で最大の部署となる。業界上位に入る企業の成長支援・業界構造の変化に対応するM&Aに取り組んでいる。トータルメディカルサービスとメディカルシステムネットワークのTOBは日本の株式市場で最大のプレミアムを記録した(グループ内再編を除く)。2020年同社最年少で取締役に就任。

取締役
業種特化事業部長
渡部 恒郎