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M&Aレポート

2017年食品業界のM&A①件数は高水準で推移

2018.11.8

  • 食品

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目次

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件数は高水準で推移

2017年、食品業界においては143件のM&Aが実行された。リーマンショック以降、2011年には約70件まで落ち込んだ食品業界M&Aの件数も、2013年以降は100件前後と高水準で推移しており、2017年については、2016年の135件から更に伸長する結果となった。

なお、業態別の内訳としては、外食案件が32件(23%)、食品製造案件が56件(40%)、小売業案件が13件(9%)、食品卸案件が32件(23%)となった。

高水準の件数推移の背景としては、人口減少による国内市場の縮小及び多様化・高度化する消費者ニーズへの対応の2点が挙げられる。

業務用食品卸大手のトーホーは、2015年12月にグループとして初めてシンガポールのマルカワトレーディングを買収し海外進出を果たしたのに続いて、2017年1月に同じくシンガポールのトモヤ・ジャパニーズ・フード・トレーディングを買収し、同地域でのシェア拡大を実現した。2010年、国内企業が外国企業を買収した事例はわずか9件であったのに対して、2016年、2017年は共に28件まで増加しており、大手企業の買収対象の矛先が海外企業に向けられている実態が顕著に現れている。

また、これまで平準化されたサービスを低価格で提供して来た外食業界においても、中食産業の成長が著しい中、多様化・高度化する顧客ニーズに対応すべく、M&Aを活用してポートフォリオ経営を加速させている。丸亀製麺を展開するトリドールホールディングスは、2017年に4件のM&Aを実施。その内一件は、当社として初の取り組みとなる立飲み居酒屋業態「晩杯屋」であり、時代背景に合わせた更なる業態拡充を実現した。
また、美食米門やヴァンパイヤカフェなどのアルコール業態を中心に展開するダイヤモンドダイニングホールディングスは、カフェなどのノンアルコール業態に強みを持つ商業藝術の全株式を取得。幅広い顧客層の消費マインドに対応すべく、外食産業のM&A件数がなおも高い水準で推移している。

青山学院大学法学部卒業後、埼玉りそな銀行にて法人営業を経て2015年に日本M&Aセンターに入社。食品業界を専門として製造業、小売業、外食業などのM&Aに取り組む。17年は丸亀製麺を展開するトリドールHDと「晩杯屋」のアクティブソース、「ラー麺ずんどう屋」を展開するZUNDのM&Aを手掛けた。

課長
食品業界支援室 室長
江藤 恭輔