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M&Aレポート

IT業界M&Aは過去最高件数を更新、6年連続増加 ―2016年ITソフトウェア業界のM&A総括(1)―

2017.3.8

  • IT

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過去最高件数を更新、6年連続増加

2016年の日本のITソフトウェア業界のM&A件数は622件(前年比116.9%)と国内全業種中で最も多く、昨年の過去最高件数を更新し、6年連続で増加している。全業種合計のM&A件数は2652件(前年比109.2%)であり、日本国内全体としてM&Aは増加基調であるが、ITソフトウェア業界においては更に増加が顕著である。

ITソフトウェア業界M&A件数推移 (レコフデータベースより日本M&Aセンター作成)

第4次産業革命時代への布石、多重下請ピラミッドの縮小が要因に

買収企業側の要因としては、特需とも言われる金融機関や官公庁の旺盛なシステム開発需要による好業績、過去最大に積み上がった企業の潤沢な内部留保資金、ゼロ金利政策による資金調達の容易さ等を背景に、リスク許容度が増し、将来成長への布石として、またAIやIOTなどの技術革新による第4次産業革命時代の業界環境変化への対応として、自社にないリソース(技術、製品、サービス、人材)をM&Aで獲得しようとする企業が増えたがことが挙げられる。

譲渡企業側の要因としては、IT業界に限った話ではないが、経営者の平均年齢が上昇し、企業の後継者不在問題によりM&Aによる事業承継を決断されるケースが増加していると共に、IPOを目指していた若い経営者が、M&Aにてイグジットする例も年々増えてきている印象だ。また受託開発業界においては、クラウド化の普及や、技術革新、派遣法の改正等が影響し、業界の多重下請構造の縮小が見込まれる中、特に中堅中小企業での再編が進んでいる。

公認会計士試験合格後、有限責任監査法人トーマツを経て、日本M&Aセンターに入社。IT業界専門のM&Aチームの立上げメンバーとして5年間で1000社以上のIT企業の経営者と接触し、IT業界のM&A業務に注力している。18年は京セラコミュニケーションシステム㈱とAIベンチャーの㈱RistのM&A、21年には(株)SHIFTと(株)VISHのM&A等を手掛ける。

上席課長
IT業界支援室 室長
早稲田大学商学部 招聘講師
竹葉 聖