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M&Aレポート

中小・零細企業、ベンチャー企業のM&Aが活発化 ―2016年ITソフトウェア業界のM&A総括(2)―

2017.3.10

  • IT

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ディールサイズ(M&Aの取引金額)を見ると、最も多いのが1億円以上10億円未満(52.5%)であり、次いで1億円未満(26.3%)、次いで10億円以上30億円未満(14.7%)と続いており、10億円未満のディールが全体の約3/4を占める結果となっている。 ここ数年のITソフトウェア業界のM&A市場では、上記で述べた要因等により、中小・零細企業や、シード・アーリーステージのベンチャー企業の、譲渡・資本提携が活発に行われており、多業種に比べるとディールサイズが比較的小さい案件が多いという特徴がある。

中小・零細企業、ベンチャー企業のM&Aが活発化

2016年のITソフトウェア企業M&Aの取引金額(レコフデータベースより日本M&Aセンター作成)

2016年同業界においてディールサイズで最大だったのは、孫正義率いるソフトバンクグループがモバイル向けゲーム開発会社のSupersell(フィンランド)を総合IT企業のTencent(中国)に売却したディールであり、売却額は7,700億円であった(※)。

Supercellはソフトバンクが2013年に1,500億円で買収した企業であるが、ソフトバンクは選択と集中を進めた結果、ゲーム事業からの撤退を決めており、パズドラで有名なガンホーエンターテイメントの株式売却と共に行ったものだ。ソフトバンクは本件で多額の資金調達を得て、その後の英国半導体設計大手のARM買収(3.3兆円)へと繋げている。
(※ディールサイズは、Supersellより、ARMが大きいが、ITソフトウェア業界の括りとして、ARMは除いている)

また、国内のディールで最大だったのは三井物産を筆頭に日本政策投資銀行、グロービズキャピタルパートナーズ等がモバイル向け、フリマアプリ開発のメルカリに出資したディールで金額は84億円であった。 クロスボーダーでは7,700億円という過去最大規模のディール(2015年最大のディールは総合IT企業のヤフーがホテル予約の一休を買収したディールで約1,000億円)が起こった一方、国内では100億円を超えるようなディールは起こらなかった。

外資系金融機関を経て日本M&Aセンターに入社。業界再編部の立ち上げのメンバーであり、現在はIT業界の責任者として、中小零細企業から、上場企業まで数多くの友好的なM&A、事業承継を実現している。これまで主担当として50件以上を成約に導いており、国内有数のM&Aプレイヤーの1人である。東芝情報システムとデンソーとの資本提携等を手掛ける。

副部長
IT業界支援室 室長
瀬谷 祐介