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M&Aレポート

物流業界の「3K」からの脱却

2018.11.6

  • 物流

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物流業界の「3K」からの脱却

中小事業者が大手のグループに加わる利点の1つに、企業ブランドが上昇しドライバー採用がしやすくなる点が挙げられる。大手が持つ採用・研修ノウハウの活用により、ドライバーを確保しやすい環境整備が可能になる。例えば、従来は設けていなかった採用ホームページをつくり仕事のやりがいをPRしたり、ドライバーを増やしてシフトを組みやすくし、安全・安心な労働環境を整備することができるようになる。結果、物流の「3K」(きつい・汚い・危険)イメージ脱却への道筋も立てられるようになるのだ。

グループ力を生かした燃料の一括購入によるコスト削減、安定荷主の確保につなげられる点もM&Aのメリットである。事業承継ではなく、会社の成長を求めたM&Aの成功例としては、食品物流を手掛けるシュタープがハマキョウレックスの子会社になったケースがある。

では中小業者は、どのタイミングでM&Aを決断するべきか。赤字や債務超過の状態では成立が難しく、好業績の時がチャンスである。荷主との取引や冷凍・冷蔵などの付加価値の高い業務を増やし、買い手側の関心を高める準備も必要とする。

また買う側にとっては、どのくらい車両を保有しているかも重要な指針となる。一般的に保有台数が多いほどスケールメリットにより採算性が高まり、多くの仕事にも対応できるため、まずは30台のトラック所有を目指すべきで、達成できたら、50台の所有を目標にするのが理想的だ。

中小事業者の経営者が念頭に置いておくと良いM&Aのポイントについては、①現在から十年後の企業や業界の状況を考える②六十代からい意識し始める人が多い事業承継を五十代から考える③事業者にとって身近な銀行や税理士に経営方針を相談する④同業者の話をセミナーで聞くことである。

興味の有無にかかわらず、企業経営の知識を学ぶことが成長への一歩につながるのではないだろうか。

東京大学工学部卒。野村證券株式会社、土木資材メーカーの副社長として経営に参画後、日本M&Aセンターに入社。経営者としての経験をもとに中小企業オーナーの立場に立ったM&Aを提案。2020年3月度全社MVP・全社最高売上を記録。

業界再編部副部長
物流業界支援室 室長
山本 夢人