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M&Aレポート

運送業界の未来

2018.10.23

  • 物流

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目次

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運送業界の未来

長時間労働や深刻なドライバー不足など、物流業界を取り巻く環境が厳しくなるなか、運送業界では大手を中心に業界再編の動きが活発化している。後継者不在による事業承継や、社員と事業を守り成長させ続けるために大手企業と提携したいと考える30~40代の経営者が増えたことで、M&Aが多数行われている。

譲渡企業の業種が物流業界に属するM&Aの件数をみてみると、2014年から2016年までに23件、16件、15件と推移しており、今後はさらに増えていくと予想されている。運送業界は90年代に車両台数の規制緩和で、多くの事業者が参入。90年代に4万社だった事業者の数は現在6万社を超えるまでに増加した。その多くが、競合企業として取引先を分裂させる形での参入となったため、過度な価格競争や人手不足の要因となった。

社長が経営者というよりはトラック運転手として独立しているため、会社の規模が大きく拡大するケースは少ない上、拠点ビジネスにおいて収益をあげられる拠点数の上限は国内で6万といわれており、集約化が進むものと考えられる。今後おそらく10年から20年の間に、4万社くらいまで統合されるだろう。ドラッグストアやガソリンスタンドなどはオーバーストアにより再編が進んだ。集約されることにより、業界全体のパワーが強まり地位も向上する。

物流業界は他の業界に比べるとまだまだ中小企業のM&Aは多くはないが、今後5年後くらいには増えていると考えられる。実際に物流事業者からの相談が増えている。

6万拠点をメドにどの業界でも再編は起こるといわれるなか、中小企業にとってM&Aという考え方は、社員や会社を守るだけでなく、事業の発展に大きなメリットとなる可能性を秘めている。

東京大学工学部卒。野村證券株式会社、土木資材メーカーの副社長として経営に参画後、日本M&Aセンターに入社。経営者としての経験をもとに中小企業オーナーの立場に立ったM&Aを提案。2020年3月度全社MVP・全社最高売上を記録。

業界再編部副部長
物流業界支援室 室長
山本 夢人