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M&Aレポート

M&Aの成否を左右する!「案件化」とは?

2018.8.27

  • M&A全般

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トラブル防止のために欠かせない「案件化」

M&Aの仲介業務を任せていただいた後、まず初めにコンサルタントが行うのが「案件化」です。これは“プレデューデリジェンス”のようなもので、コンサルタントが譲渡希望企業の実態を調査し、数値面や定性面で書類に落とし込みます。

譲受けを希望する企業が、譲渡希望企業について知りたいであろうこと、例えば企業価値を計算した企業評価書や企業概要書、その他の書類パッケージを作りこんでいく作業で、1か月~3か月かかります。譲渡企業をよく知ればシナジーのありそうな企業を想定しやすく、買い手企業から真剣に検討してもらいやすくなります。またしっかり事前に調査された企業のほうが、買い手は安心して検討を進められるのです。

案件化にあたっては、決算書3期分と税務関係の書類をご提出いただきます。その他、登記簿、会社案内、許認可、不動産登記簿など不動産所有や権利関係が分かる書類、銀行借入やリース、連帯保証明細など契約関係の書類一式。さらに採算管理や売上や仕入れの内訳が分かる資料、就業規則や退職金規定など人事・労務に関わる資料など、あらゆる情報が含まれます。

コンサルタントはこれらの資料を分析するとともに、オーナーへのインタビューなどを通じて企業評価を行い、企業概要書を完成させていきます。日本M&Aセンターでは、企業評価を複数のコンサルタントが客観的に判断できるよう、同社独自の方式により実施しています。

「どんなことでも包み隠さず話してください」

M&Aをお見合いに例えるなら、釣り書きやお見合い写真にあたるのが「企業概要書」です。コンサルタントは、この資料を作るための材料を収集します。
しかし、中小企業ではこうした資料・材料がすぐに出てくる状態にならないことが大半です。資料が整理されている会社であっても、M&Aは社内にも極秘に進める必要がありますから、社長の奥さんや娘さんが管理をしていない場合、資料集めは社員に頼めず社長自らがやらざるを得なくなります。
とはいえ、M&Aを円滑に進める上でこれらの資料収集は非常に重要なので、時間をかけてでも集めていただく必要があります。

この企業評価の結果をもとに、買い手に提示する譲渡希望価格を決めます。評価額算定後は、譲渡希望の社長の希望価格とのすり合わせを行います。ここでもまた、社長のお考えと企業についてのさまざまな情報を突き合わせます。M&Aを成功させるためには、譲渡側と譲受け側の信頼関係が必要です。交渉が進む過程で、後になって譲受け側にとって想定外の好ましくない情報が新たに出て来ると信頼が崩れ、交渉は頓挫する可能性が高まります。

譲渡側の社長にいつもお願いするのは、どんなことでも隠さず話してほしい、ということです。中小企業ですので、事業を営む中で無理をされている場合もあると思いますが、早い段階で問題を把握できていれば、対策も立てられますし、結果的に社長の身を守ることができます。そのためにも、まずはコンサルタントと社長との信頼関係が第一歩になるといえるでしょう。

東京大学工学部卒。野村證券株式会社、土木資材メーカーの副社長として経営に参画後、日本M&Aセンターに入社。経営者としての経験をもとに中小企業オーナーの立場に立ったM&Aを提案。2019年度全社MVP・全社最高売上を記録。

業界再編部 部長
物流業界支援室 室長
山本 夢人