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M&Aレポート

売る・買うの垣根が低い、ITベンチャー企業成長のためのM&A

2018.7.20

  • IT

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売る・買うの垣根が低い、ITベンチャー企業成長のためのM&A

2017年の国内M&A件数は3,050件に上り、前年を15%上回りました。日本全体としてM&Aが増加基調にあるなか、IT業界においてはさらに増加が顕著です。同業界では、前年比20%増となる748件のM&Aがありました。

その中でも、経営戦略のひとつとしてM&Aで会社を売ることを選択するITベンチャー企業が増えています。

例えばITベンチャー企業が、「自社の技術を広く世の中に普及させたい」というニーズから大手へ譲渡するケース。希少性の高い技術を持っていれば、ある程度は自社の力で成長していくことができますが、M&Aで大手企業の傘下に入り大手の資本力を活用することで、自社の技術を一気に世界に広めることが可能になります。新規事業を早期に立ち上げたい大手企業側にとってもメリットがあるため、この流れは今後も加速していくでしょう。

また、IPOをめざしていた経営者が、出口戦略をM&Aに変更するケースも増えています。これは、「M&Aが売り手にとっても企業成長の手段である」という考えが、若い世代を中心に浸透していることも影響しています。いまや、IPOとM&Aを成長手段として同列で検討する時代になったのです。以前のように「事業や会社を売る」ことに後ろ向きのイメージはありません。

そのほかにも、買い手としてM&Aを検討していたところ、市場環境やタイミングを考えた結果「売るほうが会社の成長につながる」と方針転換される経営者もいます。売り手・買い手いずれにしても、「成長のためにM&Aを活用する」という点では同じなのです。

経営者は、自社の現状と将来のビジョン、業界の流れを見極め、成長のためにはどういう選択をとるべきなのか決断することが求められます。日頃から信頼できる周囲の経営者仲間や専門家に相談したり、情報を集めたりすることが大切だといえるでしょう。

公認会計士試験合格後、有限責任監査法人トーマツを経て、日本M&Aセンターに入社。IT業界専門のM&Aチームの立上げメンバーとして5年間で1000社以上のIT企業の経営者と接触し、IT業界のM&A業務に注力している。18年は京セラコミュニケーションシステム㈱とAIベンチャーの㈱RistのM&A、21年には(株)SHIFTと(株)VISHのM&A等を手掛ける。

上席課長
IT業界支援室室長
竹葉 聖