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M&Aレポート

単独では解決できない、調剤薬局が抱える根深い悩み

2017.8.18

  • 調剤薬局

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調剤薬局は地域医療への貢献のため様々な取り組みを行っている。
例えば、お薬・漢方の相談に乗ること―高齢者の患者様にはお薬の飲み方・飲み忘れを防止するためにシールを張ってゆっくりと説明をするなど、懇切丁寧に行われている。
「開局当初から自分を信頼して来てくれる患者様には120%で応えたい」「病気で不安な時には優しく丁寧に接することが大切」というオーナーの声もよく聞く。

また、自社の地域の患者様に合わせて介護用品を店舗に準備したり、自社で独自の商品(例:医療用杖・間接サポーターなど)を開発し販売する薬局もある。
この仕事をしていると、医療従事者として、薬剤師として、患者様に密着した医療を目指し患者様一人一人のサポートに心を配っているオーナーの姿に感銘を受けることが多々ある。

一方で、理想とする調剤薬局の姿を達成できないという悩みを打ち明けられることも多い。

オーナーが抱える経営の苦労・悩みの多くは・・・?

オーナーが抱える悩みの多くは「薬剤師の確保ができない」ということだ。
小規模店舗(5店舗以下)が薬剤師を確保できない事例や、翌月に薬剤師が退職することが決定しているが新規の薬剤師を確保できず店舗運営ができなくなる事例をよく聞く。
しかし、最近は状況が変化している。
5店舗以上の中規模店舗であっても、薬剤師の確保に苦労しているのだ。

薬剤師不足がもたらす負のサイクル

これは9店舗の薬局を経営するオーナーに伺った話である。
この薬局は、1地域(1つの駅を中心に)に3店舗ずつ出店している。人繰りや急きょ欠員が出た際に迅速に対応するためだ。かつては薬剤師の数に余裕もあったためこの方法で通用したが、現在は異なるという。
勤務していた薬剤師が高齢で退職したため、現在は各店舗に適正人数(1日で受領する処方箋枚数に対応できる人数)しか配置できない。
欠員が出た場合は、オーナー自身が店舗の応援に行ってなんとか対応している。しかしそれ以上に人員が不足するときもあり、人材派遣会社に高額の紹介料を支払い依頼するという。本来であれば定着する薬剤師の募集に時間とお金をかけたくても、人材不足に翻弄されて、採用活動すら行う余裕がない。

「今はなんとかやっているが、もし、今後一度に複数の欠員や退職者が出た場合のことを考えると、ぞっとする」(オーナー談)

国が求める地域包括ケアシステムの構築に向けて、薬剤師や薬局が期待されている機能を充実させるためには優秀な薬剤師の確保は必須事項。しかしその悩みは単独で容易に解決できるものではない。

薬剤師不足を解決する方法がある

単独では解決できない薬剤師不足問題。だが、“単独でなければ”どうだろう?

M&Aで大手調剤薬局グループの傘下に入ることで、単独では難航していた薬剤師不足問題を解決したケースは多い。

群馬県のアンナカ薬局がその一例だ。薬剤師の確保に苦労していた矢先、管理薬剤師が退職。人材不足を打開するため破格の求人広告を出したが、応募は乏しかった。薬剤師が確保できなければ経営は難しい状況に陥る。
アンナカ薬局のオーナーであった佐鳥氏は、この問題の解決策としてM&Aを検討。大手調剤薬局グループのメディカルシステムネットワークと手を組むことでこの課題を解決した。
実際、メディカルシステムネットワークと一緒になったことで、管理薬剤師の補充をしてもらうことができた。また、在籍する従業員に対してもメディカルシステムネットワークの研修制度や福利厚生を適用することができ、大きな安心感を与えることができた。
医療従事者として地域医療の発展と貢献を第一に考え、M&A譲渡をした佐鳥氏のご決断は本当に素晴らしいものである。

アンナカ薬局はメディカルシステムネットワークグループの傘下に入り、なの花薬局として今も変わらず患者様で賑わっている

M&Aは従業員にメリットをもたらす

「M&Aで薬局を売ったら、従業員に対して申し訳ない」と思うオーナーがいるが、それは間違いだ。
大手調剤薬局グループの傘下に入ることで、これまでの地域社会よりも活躍のステージが広がり、将来ビジョンの幅も広がる。

アンナカ薬局の例でも述べたが、大手ならではの人材育成プログラムを受けることができ自身のステップアップが望める。
従業員がイキイキと働いている薬局は、患者様にとっても安心できる場所となるだろう。理想とする調剤薬局の姿に最短ルートで近づくことができるのが、M&Aなのだ。

青山学院大学経済学部卒業後、大和証券株式会社を経て、日本M&Aセンターに入社。 入社以来、調剤薬局業界の担当として地域問わず、中堅中小企業のM&Aに取り組む。 2020年3月度全社年間最多成約数を記録。

課長
調剤薬局業界支援室
沖田 大紀