物流・運送業

【物流業界向け】創業30年超の老舗企業の新規上場

2020年3月19日、物流アウトソーシングサービスを中心とした事業展開を行う株式会社関通が東証マザーズに上場しました。創業からの上場までの道のりや今後の展望を、創業者で現社長でもある達城久裕社長にお話しを聞いてきました。

創業から上場までの事業展開

会社を創業なされてから30年余りで上場を果たされましたが、創業当時のお話お伺いできますでしょうか?

 

本当に軽トラック一台で創業しました。なので、もともとはよくある運送業として1人でやっていました。 人を増やして会社はちょっとずつ大きくなっていたけど、当時は荷主であるお客様との上下関係が明確で、正直しんどかったです。

集金に行くけど満額払ってもらえないとかそんなことばっかりでしたね。なにくそ、と歯を食いしばりながら従業員もおりましたから、がむしゃらにやっていました。

 

トラックの台数・人の数が売上の根幹を占めるビジネスモデルから、現在のようにトラックを持たない、EC・物流支援サービスに転換したきっかけはなにかあったのでしょうか?

 

ちょうど1996年から1999年くらいだったと思いますが、楽天のEC事業が広がりましたよね。それが転機でした。

当時、ECや通販事業会社は自社で商品の入出庫管理などの配送センター業務をやっていました。月の売上が1百万円とか2百万円なら個人のマンパワーでなんとかなりますが、月の売上が5百万円を超えてくるとミスも出てくるし、専門性が必要でした。

そんな時代に、楽天アワードに出席する機会がありました。楽天アワードは楽天市場に出店している店舗を表彰するイベントです。そこで、いろいろな出店している会社の社長さんに挨拶をしていると「あ、物流会社さんですか!ぜひうちの物流をやってくださいよ!」という声がたくさんかけられたんです。

そこからが今やっている事業のスタートでしたね。10年でトラックはなくなりました。

 

当時でいえば本当に新しい事業だったと思いますが、ここまで成功した要因はなんでしょうか?

 

逃げなかったことが一番ですね。新しいことをやるわけだから当然ミスもあります。でも、ごまかしたりすることはせず、誠心誠意、どうしたらこのミスがなくなるのか?どうしたら効率よくやれるのか?をお客様と徹底的に議論しました。その時の経験が今の当社のシステムの礎を築きました。

従業員の働き甲斐とITシステム

逃げない”ということ以外に大事にしていることはありましたか?

 

従業員の働き甲斐だけは絶対に最高の会社にしようと思っていましたね。

厳しいかもしれないけれど、正当な評価っていうのは差をつけることです。「チャンスは均等に与え、成果に差をつける」これをしないと従業員はついてきてくれません。

 

たしかに御社は部長はじめ、若い管理職の方が多くいらっしゃいますね。御社のサービスの根幹を担うのは先ほどお伺いさせて頂いた“働き甲斐をもって働く従業員の方々”と同時にITシステムだと思いますが、概要についてお伺いできますか?

 

在庫管理システムであるトーマスとチェックリストシステムのアニーですね。

詳細についてはぜひホームページをご覧頂ければと思いますが、簡単にいうと「従来型の高価なハンディターミナルではなくスマホを活用し、だれが・どこで・いつ・何をやっているのかがわかるシステム」です。

圧倒的にコストが安いことと、当社実績で40PPM~50PPMの物流クオリティを達成できている質の高さで、日本での導入数No1になる日も近いと思っています。

 

今後の展望とM&A戦略

今後の展開はどういったことをお考えですか?

 

自社でうまくいったことをお客様に提供し、マネタイズしていくことを考えています。今後は、先ほどお話したトーマスとアニーのように当社でうまくいったシステムを外販していくことで拡大を考えています。

また、実は当社は3年前からミャンマーからの外国人実習性の受け入れ事業をやっています。これが本当にうまくいっています。

業界は人手不足が問題となっていますが、当社は人手不足とは無縁ですよ。

ミャンマーで教育して、日本に来て当社の仕事をさせたら即戦力。そんな教育ノウハウもしっかり蓄積されてきています。こういったこともビジネスにして広めていきたいです。

 

自社でうまくいったことをお客様に広めることで事業を大きくしていくっていうのは成功の確率も高そうですね。話は少し変わりますが、貴社はM&A戦略に関してはどういった方針なのでしょうか?

 

M&Aに関しては親和性と相乗効果を大事にしています。儲かる事業だから買いたい、といったことは全くないですね。

ただ、一緒になりたいという話は頂きますので、そういったことに関して、検討はさせて頂いています。

 

業績不振や人手不足をM&Aで解決しようという動きが増えてますが、貴社はそういった問題を解決するコンサルティングを行ってますよね。業績があまりうまくいっていない会社の特徴は何かありますか?

 

結局は社長なんですよね。穴熊の社長はダメですよ。うまくいかないことがあって嘆くだけで行動を変えられないと、今のように全てが高速で動く時代で成長できません。

そういう社長についていく従業員はいませんよね。あと、社長が営業をしないとダメですね。当社でも、実際にお客様のところに行くことはほとんどないですが、営業戦略なんかは私が役員と話をして決めています。そこまでしないと、推進力はつきません。

 

ありがとうございます。最後になりますが、今後の物流業界はどうなっていくと思いますか?

 

さっきも申した通り、人手不足は将来的に解消していく可能性が高いと思います。外国人ドライバーも出てくるでしょう。EC事業はこれからもどんどん拡大していきますから、人の問題さえ解決できれば伸びていく業界だと思います。

ただ、システム化・ロボット化なんかはすごいスピードで発展しています。どんどん物流クオリティは上がっていくでしょう。ついていけない会社が増えていくでしょうね。

コロナで暗いニュースばかりですが、こういった将来が楽しみな会社も出てきています。

急激に変わる環境だからこそ、常に新しい情報にアンテナを立てておく必要があるよう感じます。

 

 

今後も日本M&AセンターではM&Aに限らず、皆様に有益な情報をどんどん発信していければと考えております、楽しみにして頂ければと思います。

 

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業界再編部 調剤薬局業界支援室

原 佑輔

東京理科大学卒業後、コンサルティング会社にてPEファンドや大手企業を中心とした顧客の収益改善に貢献した後、日本M&Aセンターに入社。入社以来、調剤薬局業界を専門に、M&Aを活用した事業の発展・存続のための支援を行う。北海道・青森県・長野県・奈良県・大阪府・和歌山県・兵庫県・鳥取県・島根県の調剤薬局を担当している。現在は物流業界の担当も兼任している。

東京理科大学卒業後、コンサルティング会社にてPEファンドや大手企業を中心とした顧客の収益改善に貢献した後、日本M&Aセンターに入社。入社以来、調剤薬局業界を専門に、M&Aを活用した事業の発展・存続のための支援を行う。北海道・青森県・長野県・奈良県・大阪府・和歌山県・兵庫県・鳥取県・島根県の調剤薬局を担当している。現在は物流業界の担当も兼任している。